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DID 緊縛 女刑事 誘拐人質事件

2025-03-05 15:39 p站小说 2890 ℃
第一部
月日は冬の寒い時期・・・
警視庁捜査一課麻薬取締班に所属している中松奈美は今日も捜査準備に余念がない。
彼女は、昨年ある大きな犯罪組織を壊滅に追い込んだ勲章者として警視庁から表彰されただけでなく地元の治安を取り戻したヒロインとして知られている。

「ふぅ、事件は次から次へを振ってくるわね・・・」
長く伸びた髪の毛を一つに束ねて、ポニーテール姿の奈美は髪の毛を振るように勢いよく立ち上がった。

「そう焦ってはいけない。今回の事件は、慎重にやらなければいけない。麻薬密輸組織を我々が昨年潰している以上尚更だ。」
そう、部長が言うとチーム内の空気がピリッと引きしまった。

今回の捜査は昨年奈美のチームを中心に壊滅に追い込んだ麻薬密輸組織と直接やりとりをしていた、日本でも屈指のドラッグディーラーの組織だった。
上司が慎重になるのは無理はなく、奈美にもこの捜査は慎重になるように促した。
「奈美くんに関しては、組織内で既に顔が知られている可能性が高い。きみは集中すると突っ走ってしまうことが往々にしてあるからね。今回はきみは、ある刑事と一緒に行動してもらう。武田くん、きたまえ。」

上司はそういうと、奈美のパートナーである武田龍馬という男を紹介した。
「彼は、まだ経験が浅いが警察学校でも優秀な成績を残して昨年から刑事捜査課に所属する武田くんだ。彼は戦略や分析に優れていて冷静沈着な刑事だ。奈美くんと組むことによって、よりきみの能力を引き出してくれることは間違いないだろう」

龍馬は実は、新人ながら頭脳明晰であることは警視庁内で証明された。作戦の中核を担い、それを遂行するための人材を短期間で把握したことで組織の壊滅に大きく貢献していた。
龍馬は当然奈美の存在は知っていた。

「初めまして、武田龍馬です。よろしくお願いします!」と龍馬は奈美に握手を求めたが、勝ち気な性格である奈美には不満だった。

「何よ、前の組織壊滅は私の行動があってこそなのに。あなたは昨年警察学校卒業したばかりなんでしょ。部長、なぜ私は彼と一緒に・・・」
奈美は部長に食ってかかったが、先ほど部長に言われたことを思い出した。

頭脳明晰、冷静

奈美には、ないものを龍馬が持っている。
一つ集中してしまうと周りが見えなくなってしまう奈美にとっては格好のパートナーだったのだ。
昨年の組織壊滅には彼女の行動力と現場の状況判断が功を奏した。

しかし、今回は組織もしっかり対策した上で捜査課に立ち向かうだろう。
だからこそ部長は龍馬をパートナーに指名した。

「わかりました。新人くん、私の足引っ張らないでよね。早速現場回ってくるからついてきて。」
といって、奈美は龍馬を連れて外回りに出た。

龍馬は内心、ドキッとしながらもキツい奈美の言葉に否定はできずにただなすがままについていった。

場所は変わってパトカーの中・・・
「今回のターゲットは把握してるよね?」と奈美は聞くと
「はい。今回のミッションは最大のドラックディーラー組織、武藤会の壊滅です。会長の武藤真一は武闘派でかつ頭がキレる厄介な相手です。彼は防衛大学校出身の元エリート自衛官ということもあり組織の構成などのチーム作りに非常に長けているリーダーです。ですので、今回は前回のように単独での捜査は非常に危険ですので、用心してください。」
龍馬はかなり具体的に今回のターゲットについて説明する。

(すごい、ここまで相手の情報を把握しているなんて・・・全然知らない情報もあったわ。でも単独捜査は危険って何よ。)

龍馬の情報収集力に感心していたが、前回の奈美の行動に対して危険であるということに対してムッとなった。

「わかったわ。でも、あなたは前回の捜査で私の何を知っているの?私が先陣を切ったからこそ壊滅に追い込むことができたのに。今回も隙があれば、敵は殲滅しないといけないわ。武藤会は一般人までに被害を及ぼす危険な組織なんだから。」
といって奈美は前回の成功体験から抜け出せず、今回も自分を軸に敵の殲滅をしようと考えているようだった。

すると、ふと武藤会のボスである武藤真一に似た男が歩いているところを奈美は目撃した。

「武田くん、少しここで待ってて。今武藤はここの周辺を歩いていたのを目撃したの。少し現場見てくるから。」
といって、相変わらず無鉄砲さを発揮した。

「あ。中松さん!」
制止しようとした龍馬は時既に遅く、奈美は武藤を追って車から飛び出した。

「全くあれほど単独行動をするなといったのに。。」と彼女を毒づきながら車で待機していた。
資料などを見返して、武藤会についてさらに情報を収集していると窓から覗く男が立っていた。

突然現れた男に驚いた龍馬は、窓開けると男が話をかけた。どうやら警備員の制服を着た男性だった。
「すみません、ここ長時間駐車禁止なので。。。これ以上いる罰金取られるので、ここから離れてくれませんか?」と説明するとこれはいかんと思った龍馬は咄嗟に警備員に対して謝罪をして車を移動させた。

せめて、奈美に連絡した方が良いと思った。
だが署も歩いて5分程度のところにあるので一度車を置いた方が賢明だと悟り、一度署へ戻った。

“長時間駐車で危うく罰金を取られるところだったので、一度署に戻ります。また応援にいきましょうか”

龍馬は奈美に連絡を入れるとすぐに返事が返ってきた。

“いいえ、大丈夫。あと3分くらいで戻るわ。署で待機していて。”と先輩らしく指示を出して、署で待機しているように指示を出した。

しかし、ここが運命の分かれ道であった

単独で捜査をすることになった奈美は先ほど目撃した武藤会のボス武藤真一をあとを追っていた。
(武田くんには申し訳ないけど、今は重要人物の行動を追うには単独で捜査をした方が効率がいいわ。もし何かあったら、署も近くだし・・・)
と思いながら、殺風景で人気の少ない場所に着いた。

「あれ、いつの間にか人気のない場所・・・」
と呟く奈美は何か違和感を感じていた。

(何、廃墟…?)
奈美が廃墟らしい建物に入った。
(もしかして組織で何らかの取引が?)

奈美は、今一度引き締め直し、腰から拳銃を取り出す。
ここまで来たら何としても、武藤会の闇取引の現場を抑えるために、女刑事の正義感が前に出る

カチャリ・・・
「……!」
女刑事は銃を持って警戒すると共に、気配を消しながら建物に入るが、中には武藤らしき姿が見当たらない。

誰も住んでない廃墟は、色々と散乱してて薄汚く、ここだけでは人の有無はとても分からないのだ。
一体どこへ行ったのか、、奈美が静かに視線を巡らせて、武藤の気配を探っていると、

パシュッ
「ハッ、、!」
急にサイレンサー式の銃を発砲された、、
奈美は直前で野生の間で武藤の殺気に気付き、間一髪直撃を避けた。


「むっ? さすがだな、女刑事。」
銃を撃った方向から、怪しい男の声が聞こえた。

(まさか、待ち伏せされてた…!?)

武藤の声が聞こえたが未だ姿を表さず、奈美は最大限の警戒心を解かずに銃を構えたまま隠れる。

(あの男だけじゃない、、他にも4、5人、、マズいわね…っ)
奈美は、建物内の数多い物陰に隠れる他5人の気配を感じた。

「ククク。賢明な女刑事なら分かっているな? 廃墟にいるのは俺1人だけじゃないからな。」
男は物陰に隠れながらも、奈美が勘付いてるように、事実を聞かせた。

(しまった、、まずいわ。罠ね…!)
誘き出された罠だと、奈美は悔しがる。
(ここで、あの新人くんの言葉は返ってくるとは、情けないわね。)
しかし、すぐに呼気を整えて、冷静さを保つ。
(さて、、どうするか。)
クールな佇まいで拳銃を握っては、女刑事はグルグルと対応策を巡らせた。

すると、余裕綽々で武藤が奈美を挑発する

「どうした、女刑事。 怖気付いたのか? ククク。」

武藤がほくそ笑んでそう言うと、

(クソ、確かにこのまま隠れていても、数的に不利だわ。いつか狙い撃ちされるのが目に見えているわ・・・)

多勢に無勢な状況に、奈美はいつまでも膠着状態にするのは敗北に繋がると考える。

ジリ、、ジリ、、
(そうと決まったら、、こっちから先制攻撃を仕掛けるのよ!!!)

だが武藤会側の方が数でも現場でも有利であり、その何人かが忍び足で近付いてるのが、女刑事の危機感を上げては決断を急かす。

「フー、、スゥー、、」

奈美は物陰に隠れながら、スーツ越しに軽く呼吸を整えると、精神と身体を統一させる。

「っ!!」
覚悟を決めた女刑事はキリッと引き締め、隠れていた柱から低い体勢でのダッシュで飛び出した。
途端に周囲の気配が動き、飛び出した獲物に狙いを定めてるのが、

(…くるわ!!)

敏腕刑事として積んだ勘が、犯罪現場独特の殺気を感じ取る。

パシュッ、、パシュパシュッ、、
周囲からサイレンサー付き銃が、何発か撃ち込まれた。

「ああっ!」

奈美は身を伏せて転がりながら、新たなる物陰に隠れる。

「うっ!?」
対角線の柱から、武藤が銃を構えているのに気付き、

(チャンス!!)

奈美はチャンスを逃さずに、

ドンッ!
武藤に向買って拳銃を撃ち込んだ。

「ぐはあっ…!!」

武藤の呻き声が廃墟内にこだまして、陽菜はついにやったと危機感を無くして、すぐに武藤を逮捕しようと走った。

パシュッ、、パシュパシュッ、、
やはり周囲から、阻止しようと組織の連中の銃弾が数発撃ち込まれたが

「ふっ!」

建物の数多い柱や物陰を利用して奈美は素早く身を伏せて隠れた。

「覚悟!」

倒れる武藤の側に駆け寄り、銃弾から武藤を盾にする位置に立ち、奈美が拳銃を構えた時、

ビシッイイイイ!!!
「うぁッ! う…!?」

奈美の銃を持つ手首をチョップで打ち落として顔に銃口を突きつけられる・・・

(しっしまった・・・・!!)

「ククク、、俺の演技に見事に引っ掛かったな。」
奈美の銃弾に倒れたと思われた、武藤だったが持ち前の頭脳を生かして、銃弾に倒れたふりをしてあえて奈美との距離を近づけて彼女の油断を誘ったのだ。

思わず奈美は手を上げて降参のポーズをし、悔しさに顔を顰めた。

狙い通りに女刑事を誘き寄せると、銃を向けた彼女の油断を突いて手首を打ち、返り討ちにしてみせた。

まさに形成逆転・・・

武藤が持っているサイレンサーで、襲撃した女刑事のこめかみに銃口を押し付け、捕縛するという罠だった。

「まんまと、俺の罠にハマってくれたな。相変わらず単細胞のようだね、中松奈美ちゃん。」

(くっ、こいつ私の名前を知っている・・・!)

「お前は我々の界隈ではちょっとした有名人になっているよ。そりゃそうだ。お前は、俺たちの最大の取引相手を壊滅させた張本人だからな。」

武藤は計算し尽くした頭脳でビジネス相手を壊滅させた相手を捕らえることに成功した。

「動くなよ、女。」
「…っ…」

奈美は床に落ちた拳銃を拾いたかったが、武藤にグッとの顔銃口を押し付けられ、いつ撃たれるか怖くて動けない。

武藤は捻じ込むように、こめかみにグリグリと銃口を押し当てて、強気な彼女に撃ち抜く恐怖を煽る。
そう。こいつは警視庁がずっと追っていた犯罪者で、危うさと威圧感を持っている。

奈美は手を弱々しく上げたままその場に立ちすくむ。


「ククク」「こりゃいい女だな。女刑事でこんな美女初めてだぜ」

すると他の4人も悠々と出て来たが、油断することなく、奈美にサイレンサーを向けている。

「……くっ」

この4人の男も見覚えがあり、資料に載っていた幹部クラスの男だが、名前が思い出せない。。。
(ああっ、ここに武田くんがいてくれれば・・・!)
と自分自身に置かれた状況に毒づきながらも武田のあの言葉さらに自分の胸に突き刺さる・・・

(マズい、、囲まれた…っ!)
4つのサイレンサーを突き付けられては奈美は全く身動きが取れない。

武藤会なら、一般人にも容赦なく攻撃するので奈美撃ち殺す事にさほど抵抗は感じないだろう。


「ヘヘヘ、、気丈な女刑事が捕まる光景、、いいぜぇ♪」
「くっ…!」

厭らしく鑑賞される不快感に、奈美は悔しげに唇を噛む。
しかしサイレンサーを突き付けられた女刑事は、その場にジッと突っ立ったまま、弱々しく手を上げるしかなかった。

「いいか? 動くなよ。」
背後の部下が囁くと、彼女の両腕を大きな掌で掴んでギュッと握り締めた。

「痛いッ…!」

女刑事の返事を聞かずに、そのか細い両腕を乱暴に背中に捻じり上げて後ろ手にした。

「な、何をする気…っ?」
両腕を乱暴に背後に捻じり上げられた痛みに、奈美が顔を歪ませて問うと、

「大人しくしろ。」

武藤は今度は奈美の胸に銃口を押し付け、横の部下は彼女のこめかみに銃口を突き付けた。

「く……っ(抵抗ができない・・・・)」

まさに連携の取れたチームプレーで奈美に対して一切の隙を見せることが内

(何をする気…っ? うッ!)
グイイッ、、

奈美が冷静に背中を見ようと思ったが、部下の万力が彼女の後ろ手を捻り上げ、その痛みに彼女の確認を防ぐ。

「ククク、、さあ、グルグル巻きに縛らせてもらおうか。」

さらに武藤は、途方もない縄の束を取り出し、床に投げ捨てた。
(ま、マズい! 縛られるっ!)
大量の縄束を見て、奈美は顔色を失い、体が小刻みに震える。

大量の縄で厳重に縛り上げられては、この組織の手に落ちるだけでなく、本当に逃げられなくなる。

それだけでない、自分が人質になってしまうことで捜査がさらに難航して事件解決をすることができなくなってしまうかもしれない。

奈美は危機感をさらに増して、必死に抵抗しようとする
しかし、奈美の腕は既に男たちによって押さえつけられており、女の力で鍛え上がられた男の腕力には敵わない・・・

「きゃっ! ぐあっ…!!」
死角にいた部下に鳩尾を殴られ、その隙にもう一人の部下にに膝を蹴られた。

そして奈美はとうとうその場に跪いてしまった。

「捕まえたぞ!」「女を抑えろ!」
すぐに部下の2人が覆い被さり、奈美を力付くで俯せに押し倒した。

「きゃぁ!!」

奈美の必死の抵抗も、屈強な男数名の力の前には無力・・・
身体に伸し掛かられては両腕を捻じ上げられた。

「いやッ、離しなさい! うっ…!」

「大人しくしろっ!」
ドスッ
女刑事が叫んだその時、武藤の拳が彼女の華奢な腹部に命中した。
当て身の痛みから陽菜は身体をよろけ、俯せのまま屈強な男2人に押さえ込まれた。

捻じ上げられた両腕は後ろにしっかり伸ばした状態に押さえつけられて、部下の一人が縄を持って奈美の腕に縄を巻きつけるようとする。

(やっ、、縛られる…!)
スーツジャケットを乱暴に脱がされたせいで、奈美は白生地の半袖ブラウスが露わになった。

「ゴクッ…!」
シャツ越しとは言え女刑事の魅力的な体を前に、男達から生唾を飲む音が聞こえた。
「っ……」

「オラァァアッ!」 
部下は乱暴に奈美を後ろ手をしっかり伸ばして、そこにもう一人の部下が縄を巻き付けようとすると・・・

「やっ、、やめて!!」
「足掻くんじゃねえよ!」

後ろ手が荒縄の感触を感じた焦りに奈美は叫ぶが、間を入れずに縄をもつ部下が縄捌きを速め、彼女の両腕を強めに縛った。

シュルシュルルッ、、グルグルンッ、、ギュギュッ

「は、離して! あぐッ!」
後ろ手をしっかりと伸ばした状態で縄を打たれた身で健気にジタバタして叫ぶが、、その美貌を地面に叩き付けられる。

「大人しくしねえか!」
武藤は乱暴に陽菜の後頭部を掴んで、その美しい小顔を地面に叩き付け、彼女を無理やり黙らせるのだ。

「ふんっ!」
さらに部下は強い力で、女刑事の後ろ手に縛り上げて、さらに手首と肘に留縄を施した。

(う、腕が全く動かせない)
後ろ手の状況を確認するために振り返ろうすると・・・

突然奈美を縛る部下が奈美の後ろ手の縄尻を引っ張ると、彼女の上半身を上げて座らせた。

「いやッ、痛ぃッ!」

乱暴に引っ張られた奈美は、正座を強要されるが痛みに呻く暇も無く、その無防備な上半身に縄が襲い巻く。

窮屈な後ろ手縛りから迅速な縄捌きで、女刑事の乳房の上に幾重にも縄が巻き付いた。
上半身をしっかり縛りあげるために胸にもしっかり縄を施すようだ。
流石にこのままだとまずいと判断して抵抗しようとするが、武藤によって制止された

「もがくな!」

部下の縄掛けはここで加速され、正座を強要された奈美の無防備な上半身に、縄を走らせていく。
丈夫な二つ折りにした縄を、胸の上下に4重ずつに巻き付け、しかも一巻きする度にギュッと絞り上げた。

奈美の胸は、残酷にグルグルと絞るように厳しく縛り上げられた。

「ぐっ、、あぅぐッ!」
厳しすぎる縄がけに、奈美は正座で座らされた身を屈辱に俯かせる。

しかし部下が奈美に対する縄掛けは容赦無く続いてる。

シュルシュルルッ、、グルグルンッ、、ギュギュッ

「くぅッ、、んッ、、うッ!」
グルグル巻きの胸縄を背中の結び目に固く結んでは、そのまま両腕と脇の間に通して、補強の閂縄まで施して、ギュッと締め付ける。
[pixivimage:99422229]
(腕が動かない! そして胸が苦し……いッ!)

嫌でも女刑事の両腕は脇にくっ付くよう固定され、その閂縄によって胸縄がさらに体が絞り上げられる。
まるでハムを熟成させるためにギチギチに縛るかのように・・・

「やッ、やあ!!」
さらに胸の谷間にまで縄を締め付けてきて、その胸縄の下部に繋ぎ止める。

奈美はとにかくこの状況を脱しようともがくが、次から次へと縄が追加されては縛り上げられ、身動きが徐々に奪われていく。

「喚くんじゃねえよ!」

シュルシュルルッ、、グルグル、、ギリギリイッ、、ギュウッ、、

男たちの容赦のない力で女刑事の肉体に窮屈に食い込む。

胸の上下に8本の縄が揃えて掛けられ、尚も縄掛けは続いては一巻き毎にキツく締め上げてきた。


「やめ、てよッ! 離してぇ!!」
奈美は縄を巻き付けられている間、窮屈な後ろ手縛りの姿勢で必死に抵抗したが、

「黙れっ!」

「いつッ! いっ、、いやあっ!」
これ以上の捕縄を打たれてはマズいと、奈美は捕縛される苦痛の中で悲鳴を上げた。

「……」

すると、武藤が何かを持ち出して、奈美の元へ近づく

「このっ、ほどいて…っ、ん、んうぅっぅ!?」
陽菜は叫ぼうとしたが、その時武藤に布切れを小さな口の中に押し込まれて、さらに・・・テープのようなものを奈美の口にしっかり貼りつけて、奈美の声の抵抗を封じた。

「その声をもう上げられないようにしてあげたよ。」

武藤は皮肉混じりにもう抵抗はできない、叫んでも助けは来ないという暗示を奈美に対して囁いた。

「んーんぅーんッ!」
ダクトテープで口を塞がれた危機感と苦悶に、奈美は口をフガフガ喚くが、ダクトテープが皺になるだけで奈美の口を決して離さない。

なんという猿轡を施されてしまったのだろうか。
さらに、口の中に詰め物も入れられており、まともに声を出すこともできない。

シュルンシュルルルッ、、グルグルルッ、、ギュギュギュッ

(マっ、マズい! 猿轡にきを取られて、さらに縄で縛られてる、胸が苦しくて、息が…っ)

絞り上げる程のギッチギチの胸縄の圧迫で、女性ならではの胸式呼吸が乱れ、女刑事は気丈に唇噤もうにも苦しい。
そして、猿轡による口呼吸も制限されており抵抗がまるでできない。

呼吸の乱れで抗えず、可憐な唇は完全に詰め物とダクトテープによって完全に塞がれてしまったのだ。
 
そして・・・

「うぉらっ!」

最後に奈美を縛り上げる部下が、彼女を縛る縄尻を思いきり締め上げ、力いっぱいギュウッと結び付けた。

「んぐぐぅ…! んッ…んぅぅぅ!」

背中の結び目から後ろ手縛りへ、そして腰縄からしっかりと伸びた後ろ手の手首へ繋ぎ、後ろ手による抵抗すらも許さない
全身を縛る縄が食い締まった。

テープギャグによる女刑事のくぐもった呻き声が、苦悶の声色に漏れ出す。

ギリッ、、ギリリィッ!

華奢な女性である遠慮も無く、部下は仕上げとばかりにギッチギチに縄掛けを締め付けながら、縄の両端を硬く結ぶ。

「んぐぅッ!」

とうとう奈美は上半身を完全に縛り上げられてしまった。
ダクトテープによって塞がれた口から、絶望のため息を漏らす。
 
グイッ
「ぐ…っ!」
いきなり縄尻を引っ張られ、奈美は正座の状態のまま、縄尻を男たちに繋がれる。

屈強な男5人に囲まれた状態で奈美は見下ろされている。


「捕まっちまったなぁ、女刑事さん。」

俯く女刑事の頬をしゃくり上げた武藤は、その美貌を観賞するように肉薄すると、囁く。

「っ…!」
敗北を突き付けて来る武藤の行為に、思わず奈美は武藤を睨み上げた。
[pixivimage:99422229-2]
だがそんな気丈な美人刑事が溜まらなく男心を擽ることを奈美は気付いてない。

「んぅッ…!(この姿勢じゃ、立つのが…っ)」

正座を強要された女刑事だが、何気に後ろ手に縛り上げられた状態では、立ち上がるのは難しい体勢だ。

しかもその縄尻は男によって握られており繋がれてしまっているのだ。

それも女の正座は女らしさを象徴するに映えのある座り方だ。
それに男たちが見惚れることは言うまでもない。

「良い姿じゃねえか。」「美しい女だ。」「刑事とは思えねえぜ。」

男達は正座してに捕縛された美人刑事の惨めな姿を、見下ろすように鑑賞した。

(くっ、、こんなもの、、すぐにほどいて…っ!)

奈美は自分を縛り上げる縄をほどこうと、後ろ手縛りの拳を意識してはグッと握った。

ギシギシ、、ギリリィ、、

「んぐぅ、、んむぅう…っ、んぅ!」

厳しく固縛された後ろ手の縄を中心に、身を捻り振りもがいた。

しかし、

(き、キツい…! 縄が…絞まる…っ!)

もがけばもがくほど、自分を雁字搦めに緊縛する縄が、さらにきつく女刑事の肌に締まっていく。

「ククク、どうだ? 動けまい?」

武藤は奈美の顎を摘み上げ、耳元でいやらしく囁く。

「くっ、んぅぅぅ…っ!!!」

武藤の挑発に対して、奈美はカッとなって食って掛かろうするも、後ろ手に縛る縄がギッチリと体に締まり、苦痛に苛まれる。
縄抜けに苦しんだ女刑事は、武藤の顎クイに猿轡の奥から小さく呻く。

「中々の強さだ、、さすがは取引先を壊滅させた女だ。」

「諦めの悪さは大したもんだなー。」

男達の会話と、上から見下すような視線は、若い女性の敗北感と恥辱心を煽っていく。

「く…っ…!」

男達の暴力で捻じ伏せられ、縄の力で身動きを封じ込められた奈美は、ダクトテープで塞がれた口から惨めな呻き声しか漏らせない。

悔しさに強張った体に、上半身に張り巡らされた縄がギチギチ縄鳴りして食い込み、余計に捕縛された屈辱心を煽る。

「んぅ…っ」

悔しさのあまり、奈美はガックリ、正座の状態で俯いてしまう。

奈美は厳しく上半身を縛り上げられているだけでなく、口にもダクトテープを貼り付けられて声すら出すことができない惨めな思いを募らせていく。

悔し気にダクトテープから、無念の呻き声を漏らしてしまう。

「んんんうぅぅぅぅぅ……!」
俯いた奈美は、縛り上げられた自身を見て、再びため息を漏らし俯く。

窮屈に食い込む捕縄から、苦しかった女刑事だが、改めて見渡してみると非常に屈辱的な縛り方だ。

きっちりアイロンをされている白のブラウスにタイトミニスカートを着込んだ正義の女刑事が、彼女は今、縄に包まれている。

細い両腕は背中に捻じり上げられて、しっかり伸ばした状態で手首から前腕まで幾重にも縛られていた。

左右の腕の間には、閂のように留縄が施され固定されていた。
それによって奈美は、どんなにもがいても両腕を後ろ手に突き出した状態から動かすことができず、窮屈に背中に組んだ姿勢を縄によって強制される。

「ぐ…っ」

さらに胸は、白のブラウス越しからでも惨めに変形してると分かる程に、縄が締め付けられていた。

乳房の上下に、少なくとも8本ずつ縄が揃えた状態で掛けられる。
しかも胸の上下だけでなく、左右の肩から中央にV字に引き裂くように胸の谷間にまで縄が這われていた。
上下の胸縄は背中から経由した縄により、脇にも閂縄でキッチリと縄を締め付けられていた。
この閂縄のせいで二の腕は引き絞られて、脇にピッタリと添えた形で固定され、彼女の両腕はビクとも動かせない。
そんな雁字搦めに奈美を締め上げる縄は、背中で結び目が作られ、硬く結わえ付けられていた。
そして後ろ手にまで、後手縛りのロープが何重にも掛けられ、直接的に背中の縄に連結されていた。

ギュチチィ、、

奈美が少し身動ぎするだけで、全身をグルグル巻きに縛るロープが縄鳴りを発する。
自身の捕縛された姿を見ただけで、奈美は絶望に抵抗感が削ぎ落されそうだった。

(酷い、、酷過ぎる…)

残酷な縄化粧の仕打ちと自身が取った行動による過信で囚われの身になってしまったことにひどく打ちひしがれる。

「ククク、捕まった女が屈辱と恐怖に綺麗な顔を歪ませるのは、何とも堪らねぇなあ。」

武藤は、そんな奈美の思いなど気にもしせず、奈美をディスる。

「くぐぅ…っ」

見下ろす男たちのおぞましさに、奈美の身体は怒りと羞恥心にブルブル震える。
 
(い、、いやッ! こ、こんな奴に捕まって、、!)

奈美恐怖で、衝動に駆られるように正座をしていた腰をふと上げると、

「ん、んぅぅ!!!(に、逃げなきゃ!!!)」

窮屈に縛め上げられた後ろ手緊縛状態で、何とかバランスを取ってすぐ立ち上がり、男達の隙を見て走り出した。

「フン、、馬鹿な女だ。」

男達はあくまで冷静だ。
何故なら既に、捕縛した女刑事は縄でギュウギュウに縛り上げており、その縄尻を握っているのだから。

ギリギリイッ!!!!!!
「んぐうッ!!!!!!!」

突然力強く背中の縄尻が引かれ、奈美の身体中が強い力で縄に引き止められた。
キリキリ、ギリギリ、、、、

丈夫なロープが歪な縄音を立て、奈美の体を締め付け、
体中の縄が連結し締め上げられる苦痛に、思わず塞がれてる口から呻き声が上がった。

華奢な身体に対して縄鳴りが発して食い込み、奈美は苦痛のあまりその場にガクッと膝を付いてしまった。

ギュギュウウッ、、グイグイ、、
武藤が、捕縛した奈美の縄尻をしっかり握っており、逃げようとする彼女の後ろ手縛りの身体を縄尻で引っ張り止めたのだ。

その縄尻は当然短く、奈美は縄尻の長さは約2mで、その範囲から先は武藤から離れる事ができないのだ。

(しまった、、この男に繋がれていたんだった…っ。)
パニックになったことで逃げようと言う衝動に駆られた奈美だったが、縄で縛り上げられてからずっと武藤に縄尻繋がれていることを失念していたのだ。

正義の女刑事が憎き犯罪者に縄によって繋がれると言う、普段とは逆の立場でさらに猿さながらの何とも言えない屈辱を覚えた。

「残念だったな、女。お前はもう俺たち逃げられないんだよ。」
長い縄尻を握る武藤が、縄尻の先で悶える後ろ手縛りの女性刑事に、冷たく言い放つ。

項垂れた奈美はそのまま縄尻を引っ張られ、再び武藤にそばに引き寄せられる。

く抱擁される屈辱に、緊縛された身をブルブル震わせて、悔しさに耐える。

「一瞬の逃亡劇だったな。どうだ、逃げられないことがわかった時の絶望感は?」

背後で縄尻を握る武藤を筆頭に、周囲の男達は全員が余裕綽々と、奈美の肩と頭を撫でる。

(うぅっ…あたし、、もう、逃げられないの…いやぁ!!)

ついに奈美は、縄で繋がれて男共に完全に囚われてしまったのだ。
逃げられる気がしない捕縛の状況に、焦りの上に絶望に表情を曇らせる。

「さあ、車まで歩いてもらおうか。おら、とっとと歩け!」
武藤が歩くように奈美に命令すると、後手に縛め上げられた背中を乱暴に押す。
[pixivimage:99422229-3]
「んぅぅっ…!(あ、歩くから乱暴しないで!!)」

奈美はここは抵抗しても、どうしようもないことを悟った。自分よりも強い武藤に縛り上げられ、さらには縄尻を握られて繋がれているため完全イニシアチブを取られている。さらに周りには部下がサイレンサーで奈美に向けており、抵抗して逃げようものなら撃たれてそのまま倒れてしまうだけだ。
奈美は、今は抵抗せず連行されることで油断したところで逃亡する計画に切り替えた。
今は抵抗することなく、縄でグルグルと縛り上げられた身をふら付かせながらも、大人しく歩き始く。

(ここは大人しく連行された方が賢明ね。どこがで隙を見て逃げ出さないと!)

(いつか、、いつか…!)

奈美は、厳重警戒の中で小さくなってく希望の光を託して、武藤が主導する連行の歩を自ら進めるのだ。
両腕は後ろ手に伸ばした状態で上げられてしっかり縛られ、胸の上下に閂縄付きで縛め上げられた、上半身緊縛。
口にはダクトテープが貼られ、剥がす所か僅かな隙間を設ける事すら至難の業で、鼻息が苦しそうに吹かれる。

「ほら、、とっとと歩け!」
武藤は奈美の歩行が少しでも遅くなると声を荒げて、さっさと歩くように縄尻を引っ張る。さらに背中を蹴り飛ばしたりもして奈美を地面に倒す。

「ムぐぅうッ!」

まさか蹴られるとも思ってなかったので、奈美は苦痛に呻いてはつんのめって、その場に力無く倒れた。

「さっさと立て!」

今度は倒した奈美の縄尻を思いっきり、引気起こしたのだ。

「ムぐッ、んんぅッ!」

奈美はスレンダーな体型のため、容易に引き起こされたかに見えるが、彼女の身動きを封じる縄がギリギリと柔肉に食い締まって、苦痛を与えていた。

苦悶の呻き声を漏らす奈美は、ダクトテープがその呻き声すら吸着する息苦しさに喉鳴らし、引き摺られるままに立ち上がる。

「さっさと歩けって言ってんだろ!」

武藤は奈美の頭を小突いて、縄尻をグイグイ引っ張って無理やり歩かせた。

「んんぅッ、、んンッ!」

この一連の動作で奈美と武藤会の関係が如実に現れた。
奈美は抵抗すらできない捕虜として、武藤の乱暴なエスコートただ大人しく受けることしかできなかった。。。

(ちくしょう…! 今に…っ)

小突かれては跪き、引き起こされては蹴飛ばされ、奈美は武藤に弄ばれながらも、ただ為すがまま歩かされるしかなかった。

ザ、、ザ、、ザ、、ザ、、
武藤はこの連行を止めようとはせず、奈美をひたすら歩かせた。

30分ほど歩いてついに、人気のないところにある車についた。

「これに乗れ」

乱暴に奈美を繋ぐ縄尻を引っ張って、無理矢理車の中に押し込む。

「んぅぅ! うぐぅぅぅ!!!(いやだ、どこへ連れてくの!!)」

「うるせえやつだな、ちょっと黙ってろ。」
「うぐっ・・・・!(うっ・・・!)」

奈美は必死に抵抗したが、突然部下に後頭部の急所を殴られ、意識を失った。

「やっと大人しくなったか。足も厳重に縛っとけ。アジトについたらしっかり監禁しておかないとな。ククク。。」

武藤は、部下に対してさらに厳重に縛るように指示して車に乗り込んだ。
指示をされた部下は後部座席にあった縄をさらに出して、奈美の足首、脛、膝元、太ももを厳重に縛りあげた。

どの部位にもしっかり留縄を施し、自力で歩くことすらできなくなってしまった。

「武藤さん、準備が完了しました。」
「了解。では出発しよう。」

車が発進して、奈美は誰にも自身の状況を知られることなく敵の魔の手に落ちてしまったのだった。


第二部
奈美が武藤会に誘拐されたと同時刻の警視庁では・・・
武藤会に関する作戦会議が続いていた。
部長から入念な作戦があり、その情報提供の補佐などを龍馬がしっかりサポートして、敵の殲滅への準備を入念に行っていた。

(中松さんまだ帰ってこないな。大丈夫かな。。。)
龍馬は奈美が中々帰ってこないことに不安を感じていたのだが、みすみす獲物を逃す性格ではないから、引き続き追っているのであろうと考え、再び作戦会議に集中した。

一方の森の奥地にある、廃墟に奈美は監禁されていた。
奈美は未だに気絶しており、中々目を覚まさない。

(うぅ。。。)

ようやく正義の女刑事が目を覚ますと殺風景な場所と体が全く動かないことに対する違和感に徐々に覚醒していく

(あれ、腕が動かない。。。?)
自分の体を見ると、全身を留縄付きでギチギチに縛り上げられていた。

「んっ!!!?? んぅぅぅぅ!(え、どう言うこと!!!?)」
(声も出せない・・・! ハッ!)

そう、奈美は武藤会のボスである武藤真一を追ったところで組織に敗れて、このように上半身をしっかり縛られ、ダクトテープを貼り付けられて声を出すことも封じられていた。

「んぅ。。 (そうだわ。 武藤会にやられて捕まったんだったわ・・・)」
奈美は自分が置かれている状況を理解すると同時に冷静になって監禁されている場所を見渡した。

部屋は殺風景で、周囲には段ボールが乱雑に落ちている。
部屋の高い位置には、小さな窓が付いているが、そこには鉄格子はついている。
よって窓から逃げることは不可能である。

大体昼すぎに奈美は武藤会に捕らえられたので、外はもう薄暗くなっており、監禁する部屋も薄暗く不気味だ。

(何か縄を切れるものはないかしら・・・ あっ!)
そう、奈美は乱雑に置かれたダンボールの下にガラスの破片を見つけることができた。

(あれをとって、まずは縛られている状況を脱しないと)
そう言って、立ちあがろうとするが、足首も縛り上げられているため立つことがままならない。

「んっ うぐぅ・・・ (気絶している時に足も縛っていたのね・・・ なんて用意周到な。)」
不自由すぎる体を起こそうと全身を芋虫のように振るが、どの体制が最適解なのかを理解するのにかなりの時間を要した。

(落ち着いて、、落ち着くのよ。私は警視庁の刑事なんだからっ。)
そう自分に言い聞かせて、奈美は深呼吸で気を落ち着かせた。
口を塞がれて鼻から荒く吐息を漏らしながら、今度は奈美はなんとか立ち上がろうとする。

手足を縛られた状態で起き上がるのが、これ程大変な作業だとは思いもよらなかった。

「んぅッ!」
勢いをつけて上半身を起こし、勢いが足りずに倒れる。
そしてその度に、猿轡の奥からくぐもった呻きと吐息が漏れる。

「ん…んむぅ…っ(クソ、もどかしい・・・!)」

ようやく座り込んだ体勢まで持っていった奈美であったが、 そこから立ち上がろうとして、それがまた大変な作業である事に気付いた。
人間とは、何と両腕に頼って生きている生き物なのか。

縛られた足を振り上げ、その反動で一気に立ち上がろうとした奈美であったが、

「んッ、、んぅう!(ああっ!!)」

勢いが足らず、あろうことか体が横に傾き、横座りの姿勢になってしまう。

(くそおっ…!)
この作業を何度も繰り返すことになる・


…何度か同じ事をした後で、ようやく芋虫のようにグルグル巻きに縛りあげられた体で直立した奈美は疲弊していた。

「フウ、、フウ、、フウ、、(やっと立てた・・・!)」
肩で息をしながら、猿轡をされた顔を左右にめぐらして周囲に目をやった。

(取りあえず、ダンボールを目指そう! 縄を切るガラスの破片物をとってからだわ…!!)

さて、窓を目指して歩き出す事も出来ずに、

「んぅ~、、んッ!」
奈美は戒められた体全身をかがめて勢いをつけ、前方に跳躍した。

ピョン、ピョン・・・・
ビィィィィン!!!!!!!!

「ウグゥゥゥゥ!!! んぅ!? (痛い! なに?)」
ウサギ飛びのようにガラスの破片を取るために、飛びながら移動していた奈美は急に重力を無視するかのように引き戻される感覚に襲われた。

後から引っ張られた感覚に違和感を覚えて振り返ると・・・
ギシィ・・・ ギュチチチ・・・

そう奈美を縛る縄尻は、なんと真ん中の柱に繋ぎ止められており、2メートルほどしか動けないようにされてしまっていたのだ。

(なっ・・・! あと少しで届くのに、本当に周到なやつらね!!)

武藤会の周到な監禁に奈美は毒づくと共に、厄介な犯人グループに囚われてしまったと言う恐怖心にも苛まれた。

「んんんんんんうぅぅぅぅ!! (誰か助けて!)」
ダクトテープで塞がれた口で声を上げるが、くぐもった声では何の意味も解さない。

(クソ、スマホも発信機もやつらに取られてしまっているわね。これじゃ孤立したのも同然・・・)

奈美は一度縛る縄を自力で投稿を再度芋虫のようにもがく。

「んッ、、ぐぅ!」
なんとかして体を縛る縄をほどこうと、身動ぎを繰り返していた。

しかし、芋虫が身体を捻じらせるような感じの動きしかできず、ギチギチと縄鳴りが発するだけでそれでも強気な奈美は、縄をほどこうと、後ろ手を中心に、足や腕を懸命にバタつかせる。

それでも奈美を捕らえる縄が緩む気配すらなかった。

(ダメ…! 縄が全て連動してて、もがけばもがくほど食い絞まっていく…っ。ほどけ…ない…!)

奈美は、自力でほどくのは不可能だと諦めるしかなかった。
もがいた分だけ状況が悪くなる一方なのだから、諦めるしかなかった。

すると。
コツ、、コツ、、コツ、、
「……!」
その時分厚いドア外の向こうから、男達の足音が聞こえた。
遂に戻ってきた、、女刑事の顔は真っ青に染まり、絶望感から抵抗心すらも身体と共に固まってしまった。


ガチャ、、ギイイ、、
ついに扉が開いた。

「ビクッ」

「ククク。 大人しくしていたかな? 奈美ちゃん・・・?」

武藤は不敵な笑みと奈美を挑発する。

(ダメ、、周到過ぎて、今の私の状況じゃとても敵わないわ…!)
絶望的な状況で、勝ち気な性格である奈美でも弱気になってしまっても、おかしくはない。

拉致されてから監禁されるまで、乱暴に連行され、捕虜になった自分の立ち位置をわからされたのことで一層自分が今後どうなってしまうのか、不安に陥る。

すると、武藤が奈美を脅迫するかのように耳元で囁いた。
「今お前の身柄は俺たちに拘束されている。俺はお前がなぜ俺たちを追っているのか、お前たちのチームの状況などを教えてくれれば生きて返してやろう。」

奈美解放の条件は、警察側の情報。
しかし、奈美は細部まで知らないのは当然だが、刑事の誇りとして、頑に顔を横に振って拒否した。

「んぅ! (いやよ! 絶対に教えない!)」

武藤は、ニヤリとした顔でさらに奈美を脅す。
「わかった。 そしたらその代償はお前に体で支払ってくれよな。」
そういった武藤は奈美を襲おうとすると、不意に武藤のスマホから着信が。。。

「チッ、タイミング悪いな・・・ 奈美ちゃんは大人しく、ここでおねんねしてろよ。」
と言って、武藤は監禁部屋を後にした。

奈美は、武藤によって更なる暴行を加えられると恐怖に怯えたが、間一髪免れた状態となった。

(チャンス、ここから逃げないと!今の状況だと奴らは当分帰ってこないわ・・・!)
奈美は武藤がいない間に縄を解いて逃げようをする。
一つの希望を見出した奈美は、再びガラスの破片をとりに行くために全身を伸ばして段ボールの方へ向かう。

(足だったらなんとか取れそうね。 この縄尻がもどかしいけど、なんとかいけそうだわ。)
奈美は165cmと女性の中では長身の部類に入るため、なんとかガラスの破片を足で取ることができると考えた。
しかし、両足も縄でしっかり括られているので、取るのにも至難の業ではあるが、奈美の選択肢は逃げること以外にない。

「んぅぅぅぅ! (やるしかないのよ!)」
奈美は全身を乗り出して、捨て身の状態で足を伸ばして破片を取ろうとした。

ギリリリリリ、 ギュッチチチ・・・・
奈美を繋ぐ縄尻が完全に伸び切った状態でも、諦めず、体を伸ばし続ける。
縄はさらにキツくなるが、今の奈美には構っていられる状況ではない。

そしてついに、括られている両足でガラスの破片と取ることに成功した。

「んっううっ! (やったわ!)」
そのまま背中の柱に破片を持っていく。背中で隠すことによって敵の死角を利用して縄を特作戦だ。

しかし、その瞬間
ガチャリ・・・
ドアの開く音に、奈美は驚き、その行く末をみることになった。

しかし、入って来たのは武藤ではなく組織の部下であった。
「武藤さんに見張りの命令をされた方な。お前が縄抜けをしていないのかをしっかり監視しておけだってよ。 あとは、1時間に一回縄目のチェックをやっておけっていう命令があったから妙なことはするなよ。お前は捕虜なんだから、大人しくしてろ。」

部下はそう言って、乱暴に奈美の縄の縛り目を入念にチェックした。
「もがきまくって、さっきよりも縄がキツくなってるじゃねーか。無駄な努力だな。ハハハ!」
そう奈美を挑発して、部屋の端にあったソファに腰をおろしてしっかり監視した。

(くっ、1時間に一回の縄目のチェックなんて時間がなさすぎる。。。なんて周到な奴らなの? でも今はチャンス。なんとかして逃げないと)
奈美は破片を取るために、もがき続けた結果、彼女を縛る縄がさらに食い込むように巻き付いていた。
しかし、不幸中の幸いで更にキツくしまっている縄に見惚れて近くに落ちているガラスの破片に気づくことはなかった。

(油断したわね。 あいつの動きを見ながら手首を足の縄を解かないと・・・)
そこから、奈美は見張りにバレないようにガラスを縛る縄に擦り付けて、縄を解こうと静かにもがいた。

奈美は静かに首から上を背後に向けて、ダクトテープを口に貼られた顔で尻元を睨む。

(次はあいつらに縄目のチェックをされる前に縄抜けしないと…!)
縄抜けは普段使わない筋肉などを使うため余計に疲労を蓄積させることになる。汗はダラダラ溢れ出て、疲労による眩暈と相まって視界が霞む。

カチッ、、
ガラスの破片の操作を後ろ手だけで行うのが難しかったが、震える手で何とか奈美を拘束する縛り目に当てる。
「んッ、、うッ…む!」
テープを口に貼られた美顔を捻じって背後に向け、破片で地道に後ろ手に締まる縄を擦る。

(ちくしょう、、もどかしいわ…っ!)

その苦難を今、奈美は身体で痛ましく思い知りながら、刑事ならではの健気な芯で縄を擦り続ける。

「フッ、、フッ、、フウッ、、(なんとか切れて!)」

無理な姿勢で顔を背後に捻じり、地道な破片での擦り作業をしているのは、縛られた身ではかなり苦難だ。

よって疲労は溜まり続け、汗は湧き出すように流れ、テープで口を塞がれたための鼻呼吸は荒く湿っていき、消耗から眩暈までする。

しかし、気づかれてはいけないので、なんとか息を殺しながら静かに好機を狙って解くのだ・・・

そしてようやく

ブチ、、ブチイッ、、

そしてようやく、彼女を縛る縄の大部分が切れてくれた。

(よしっ! あとは、、力づくで…っ)

それでも何重巻きに締め付けられた厳重な後ろ手縛りは、完全にはほどけないが、どうにもならない訳ではない。

奈美は力付くで縄を解こうと、後ろ手を力いっぱいもがいた。
そして奈美の努力がようやく実り、

ブチチイッ、、

(やった!)

遂に奈美は後ろ手の縄の縛りを、脱する事ができた。
肝心な拘束をほどけたので、これで脱出への希望に繋がる。

(これで、縄尻の繋がりからは解放されたわ。 後はあいつらにバレずにカモフラージュしながら足の縄を・・・)

しかしまだ安心はできない、、奈美はまだ足首を縛られているためまだまだ自由ではない。
そのため、上半身の縄よりも足首の縄を解くことを優先した
「くっ…!」

(諦めたらダメ…! ここでなんとか足の縄を解いて逃げないと!)
(何とか、ほどいて…っ)

見張りはなんと、怠慢でスマホゲームに夢中になっている。

(ラッキー! 足は上半身より少し緩いから少しもがけば解けそう。そして、見張りが怠慢なやつで助かったわ・・・!)

足を左右上下に動かして、かつ気づかれずに縄抜けを行うことは労力のいる作業だったが、なんとか5分ほどもがきつづきていると

シュルルル、パララ。、、、
その時、足が徐々に自由になっていく感覚を感じた。

「んぅッ、、、(もう少し・・・)」
奈美は足をうまく操作し、遂に足首の拘束を脱した。
彼女の自由を奪う縄がようやく落ちたのだ。

(や、やった!!)

そして奈美は自然と、足を振って立とうとしたが、
ピリリ、、!!

「!!?」
アラームの音が監禁部屋にこだました。
そう見張りによる縄目のチェックの時間だったのだ。
見張りは思い腰を上げると、

「大人しくしてたか?まあ、あいつの縄目から逃げることなんて不可能なんだけどな。」
そう言いながら、ニヤリと奈美の方へ向けって歩いた。

「……っ」
奈美は直感の判断で、柱に繋がれているように縄尻の繋ぎ目を隠し、正座で両足首を尻に隠した。

奈美は未だ縛り上げられている振りをしたのだ。

奴を油断させておいて、何とか隙を見て奇襲する。
これしか脱出の手はない。
この辺の一瞬の判断力は、さすがは敏腕刑事だ。

(これなら、、何とか奴の油断を誘えるかも…っ!)

奈美は希望に目をぎらつかせ、後ろ手縛りかつ正座のまま俯き、拘束され弱った振りをする。
実際には汗だくでかなり弱っているのだが、それでも逃げ出したいという思いが勝った。

奈美は目立たないようにして、俯きながら静かに気を集中させて、見張りを観察していた。

まだゲームの途中だったようで再びはスマホ操作に夢中になっているようだ。
時折背中を向けていて、完全に油断をしているようだった。

(焦っちゃダメ…! 奴は必ず隙を見せるわ。その時まで用心深く待って、機を見て一気に攻めるの! それまでは…っ)


逆転までの機をじっくり待つ、用心深い刑事の姿を見せた。

すると、スマホをずっと操作していた見張りは、舌打ちする
「ああっ、ミスった。。!!」
見張りが大きく悔しがり、美香子に背をもう一度向けた。
どうやら機嫌を損ねているようで、頭をガシガシ掻いて、スマホに夢中になっている。

(来た、、チャンス!!)
奈美は俯いてた美顔を上げた。

「……」

こっそりと立ち上がって、忍び足で見張りに迫る。

「(…今だ!)んむうううッ!」

奈美はテープで塞がれた口で、気合の声を発して身体中に力を入れて自由な足で見張りに対して蹴りを入れた。

「なッ、、ぐおおッ…!!」

虚を突かれた見張りは、急所を蹴られて、大きく倒れてしまった。

「んぐうううッ!」
そして今度は、全力のキックを相手にお見舞いした。
油断を突かれた見張りは、急所を強く蹴られて唾を吐いて倒れた。

自分を捕縛する監禁部屋から脱することができた。

(やった! に、逃げないと…!)
奈美は縛られた上半身を上手に振って、早々にその場から逃げ出した。
後ろ手に雁字搦めに縛り上げられたまま、バランス悪そうに監禁部屋を後にする。

「待てっ、、この女ああ!!!」

なんとか起き上がった見張りだが、股間の痛みに奈美を追うことができなかった。

とにかく、逃げようと奈美ひたすら走る。

「チッ、、逃がしたか。まあいい。あんなギチギチに縛られて、、
あんな不自由な身体で、簡単に抜け出せやしねえさ。」

見張りは逃げた奈美を追うが、焦ることなくゆっくりと立って彼女を再捕縛しようとする。

「んふぅ、、! (これが最後のチャンス!また捕まると、本当に助からない!)」
奈美はその危機感に苛まれながら、縛られた不自由の身を振って走る。

小屋なので、簡単に出口を見つけるとそこへ一心不乱に走った。
(あそこから出られれば、外ね! 一歩でも前へでないと・・・)

奈美は、ギアを上げて走るが突然男が奈美の前に現れた。

武藤だった。

(くっ! なぜ、あの男が・・・!?)
奈美は焦りと恐怖を覚えながら武藤に対峙する。

「なぜそこにいるんだって顔してんな。 ククク、そりゃそうさ。あいつだとヘマする可能性があるって始めたらわかってたんだ。 小型の隠しカメラを仕込んでいたからお前の行動はいち早く気づいていたよ。」

奈美は戦慄を覚えながらも、武藤は続ける。
「縄抜けも見事だが、あのガラスの破片はあらかじめ準備していたものだよ。お前の上半身の縄をさらに食い込ませるようにね。 そして、お前はぎっちり縛り上げられた上半身の縄を解くことを諦めてくれた。 こちらにとっては予想通り足と縄尻を切ってもらえたということだ。」

(なっ!! なんてやつなの・・・・ 私は始めからあいつに嵌められたってことなの。。。?)

奈美は武藤に嵌められていたことの屈辱を覚え、恐怖したが前に武藤を倒さなければ自由はない。

(上半身は括られて使えないけど、下半身は使える。 完全に私が不利だけど、立ち向かうしかない!)
ついに覚悟した奈美、立ち止まっていた体を前に走らせて武藤に突進した。

「んっうううう! (こうなったら力づくでも!!)」
しかし、武藤は表情を全く変えずに少々呆れていたようだった。

「あいつらは、こんな単細胞な女に潰されたのか・・・残念でならないが、まああいつらもそこまでの組織ってことだったわけか。」

そう呟いてる隙に、奈美が勢いをつけて回し蹴りを繰り出した。
「うぅぅぅぅ!!! (喰らいなさい!!!)」

しかし、奈美の回し蹴りは空を切った。いとも簡単に奈美の攻撃を交わしたのである。
それでも奈美は、何ふり構わず武藤に対して長い足を活かして蹴りを繰り出す。

(乱れ打ちでも急所を狙っていれば、当たるはず! こいつ、避けてばかりで私のことを舐めているわね!)

奈美は徐々に冷静さを失いながら、蹴りを繰り返していたたが、武藤がついに動く。

「頃合いだな。」
そういって、奈美の蹴りを腕一本で受け止めて奈美のキックを塞いだ。

「よっと!」
そして腕一本で、簡単に奈美の体勢を崩して床に倒す。

(し、しまったっ!!)
床に倒れた奈美は、上半身を縛られている時点でKO同然だ。
すぐに起きあがろうとしたが、武藤に制止された。

「もうこれ以上戦っても勝てないのは、お前もわかっているはずだ。ここで死にたくなければ、大人しくしていろ。殺したりはしない。 ただ、大人しくしていればな。」
そういって、武藤は奈美にサイレンサーを向けて大人しくするように脅した。

「ふぅ、 ふぅ うぅぅ・・・・!! (ちきしょう!)」
ダクトテープで口を塞がれた奈美にとっては、戦いに敗れたことに対する絶望と乱れ打ちに蹴りによる疲労に襲われ、スイッチが切れたロボットのようにガクッと首を垂れた。

「やっと大人しくしたか。 じゃじゃ馬娘め。」
そういって、武藤は奈美に近づき、上半身の縄をさらにきつく縛り直す。

「目にもを見せてやる。もう縄抜けをしたくないといういう所まで絞り上げてやる。」
そういって武藤が奈美を縛り上げるというよりも、絞り上げるように再度縄掛けを施す。

シュルシュルンッ、、グルグルル、、
武藤は感情の無いロボットのように淡々と、そして容赦のない縄捌きでの締め付けで、彼女の身動きをどんどん窮屈に封じて行く。

「ぐふっ…!」「うぐッ…!」
奈美はあまりの縄のキツさに、うめき声を上げた。


ギュチギュチ、、ギチイッ
奈美の上半身は雁字搦めにグルグル巻きに縛り上げられ、芋虫のように身をくねらすしかできない。
縄鳴りが発して、後ろ手に連結した胸縄や腰縄が絞り込まれ、彼女を苦しめる。
また、口のダクトテープも剥がれる気配もなく、強力な粘着力で彼女達の口を塞ぎ続け、小さな呻き声しか発せない。

本当の絶望を知った奈美は、ついに涙を浮かべて弱々しく俯いた。

「縛られた状態で俺に勝てるとでも思ったのか。 上半身が自由の状態でも勝てなかったのに無駄な足掻きを・・・」

「っ……」
悔しいが、その通りだった。


巨大な麻薬組織を潰した有能な女刑事はこの男に敗北して、捕まったのだ。

端から見れば、武藤の作戦だけだが、要所要所で奈美の隙を作り、逆に自分には驚くほどに全く隙を見せない。明らかに奈美との格の違いを思い知らされた。

そんな奈美に止めを刺すように武藤は、
「お前は弱い。もう逃げられないんだよ。諦めろ。」
と、奈美の耳元に唇が触れるか否かくらいの近さでねちっと囁いた。

そして、縄尻を掴んだ武藤はもう片方の手で奈美の背中をドンッと乱暴に押した。
よく分からず立ち尽くしている奈美に男は冷たく言い放った。
「歩け。さっきの部屋に戻る。」
再度奈美の背中をドンッと押した。

(わ、分かったわよ…)
奈美は渋々従い、再捕縛の刑罰を自ら受けれ入れるように歩いた。

そして、先ほどの監禁部屋に連行されると、武藤は奈美の背中を思いっきり押し倒した。

「んんんぅぅぅ!!! うぐぅぅぅ!! (なっ何!?)」

しかし、倒れた瞬間に顔を振り向くと既に武藤にマウントを取られていた。
「大人しくしていろよ。目にものを見せてやる。」
「ククク。」

(何?今度、どうするつもりなの?)

奈美が動けなくなった隙を見て、男は悠々と彼女のふくらはぎを掴み上げ、括り上げた両足を折り曲げた。

「んふっ、、うぅ…っ」

その異変に奈美は苦しそうに鼻から荒い吐息を付くものの、抵抗する体力はもう残っていない。

武藤は卑しい笑みで縄を持ち、折り曲げた彼女の両足首に縄を巻いていく。

シュルシュルル、、ギュウッ
両足首をグルグル巻きに縛ると、縄の余りに後ろ手の縄に連結し、強く引き絞った。

「んむぐうッ!?」

すると奈美の両足はさらに折れ曲がり、短い縄で繋がり、後ろ手と連結してしまった。
両足が折れ曲がった苦しさに、奈美は眉をひそめて背後を振り返るが、

「ククク、、今更慌てても遅いぜ。」
「よっと。」

そして武藤は、両足首と手首に繋がった縄を、一気に引っ張ると、
ギュウッ!!!

「うぐうっ!」

輪っかはさらに小さく縮み、奈美の手首が強く絞められ、両足首と短い縄で繋がってしまったのだ。

そして男は、奈美の手首と両足首に繋いだ縄尻を、固く結び付けた。

「んぐううッ!」

ギュッと手首と足首が絞められ、後ろに引っ張られたために頭が仰け反り上がり、奈美は苦しげに呻く。

「クク、、完成だ。」
そう言って武藤が縛り上げた奈美から手を放すと、

「んっ、、んぅう!」

奈美は身体を逆海老反りに反り返った窮屈な姿勢のまま、厳重に縛り付けられてしまった。

大きく折り曲げられた足を、思わず元に戻そうものなら、
ギッチイイッ、、ギュウウッ

「うぐうっ、、う…ふぅ…っ!」

両足首に繋がった後ろ手の縄が大きく引き絞られ、彼女の胸縄を始め上半身中の縄が、ギュウギュウに締め上げられる。

(こ、、これじゃ、動きようがないじゃない…!)


あまりに絶望的な逆海老反り縛りに、奈美は無理な体勢に鼻から荒い吐息を漏らしながら、大きく狼狽する。

「フーッ、、フーッ、、フーッ、、」

しかしどれだけ鼻から荒く熱い吐息を漏らそうとも、口をピッチリ塞ぐ強力なダクトテープは、僅かに皺が揺れるだけで全く剥がれる様子もなく、奈美の言葉を発する自由を封じ続ける。

「フフフ、、どうだ? 全く動けまい。」

武藤はそう呟いて、挑発するように陽菜の顎をクイっとあげる。

「っ……」

なすがままにされた奈美は、避ける事も顔を向け睨み上げる事もできずに、ただ受け入れるしかない。

そして、極めつけは5メートルくらい伸びた手首の縄尻を細い柱に括り付けて逃亡すら絶望的にさせた。

「妙なことは起こすなよ。すべてお前の行動は感じカメラで見張っているからな。今度は容赦しない。大人しくしてろよ。」

そういって、武藤は再び監禁場所から姿を消した。

「フーッ、、フーッ、、フーッ、、」
寝室の中は、奈美の荒い鼻息だけが残る。

(縄を解かないと、、、)

「んっ、、んぅう~~! ぐッ…」

ギチギチイッ、、ギュチイッ、、

奈美はすぐにも縄をほどこうともがいたが、結果はやはり、身体中の縄がさらに厳しく食い絞まった。

特に、折り曲げられた足縄と手首の縄が直接連結されたのが痛く、奈美は逆海老反り縛りの体勢のまま、動くことすらままならない。
しかも、立つこともできないように足首を折りたたむだけでなく、それを手首に繋ぎ止めることで完全動きを塞がれた奈美は、縄抜けをするのを諦めざるを得なかった。

(縄をほどくのは、、無理だわ…っ)
ここまで絶望的に縛り上げられては、奈美は冷静に諦めざるを得なかった。

「フー、、フー、、フー、、」

奈美はまともに動くことすらできず、ホッグタイのまま大人しく監禁部屋で時間が経過するのを黙って待っているだけだ。

さて、再捕縛された奈美の運命は、、、、


第3部

明朝・・・
警視庁では、各部署で大きな焦りを見せていた。

「昨日の夕方から中松さんの姿が見当たりません。」
武田は上司に報告する。

「そうなんだ。発信機も近くの廃墟から動かない状態だ。 様子がおかしい・・・ 」
上司は、奈美の行方を心配していた。

「現場を見るのは、危険です。中松さんのスマホのGPSデータを取得して行方を追ってみませんか?」
武田は上司にそうのように提案する。

「あぁ。既にそれは実施済みなんだが、電源が入っていないから取得できないのだ。。」

「これは、誘拐ですね。」
武田は、上司に推測すると、

「そうかもしれないな。もしかすると、組織からの連絡が来るのかもしれない。 だからあれだけ単独行動はするなと・・・」
上司は奈美の心配をする。。。。

その一方監禁部屋・・・

「んぅぅぅぅ! ふぐぅぅぅ!! (誰か助けて!!)」

奈美は再捕縛されたのち、逆海老反り縛りに処されて再び監禁されていた。
しかも、逆海老反り縛りによって手首と足首が繋がれている状態のため、歩くことおろか立つこともできない状態なのだ。
さらに恐ろしいことに奈美の背中に伸びる縄尻は、柱に括りつけられて繋がれているので、その場から動くこともできない。

よって、時間が経つのをただ黙って過ごすことしかできないのだ。

(このままだとマズイわ。でもどうすることもできない。どうしよう・・・!)

奈美に焦りが募るが、何もすることができない。

ガチャリ、、、
すると、武藤が何か持って監禁部屋に入ってきた。

「お前、この1日何も食べてないだろう。腹も空いているハズだから持ってきてやったよ。 このまま餓死されては困るからな。。」

そういって、武藤は逆海老反り縛りに処されている奈美の目の前に座った。

「どうだ、まとも時間が経過するの見つめているだけの感じは。焦りと絶望に打ちのめされたんじゃないか?? ククク。」

奈美を挑発する武藤だが、コンビニ袋からゼリーを取り出した。

「さぁ、朝ご飯やるよ、奈美ちゃん。 お前に選択権などない、我慢して食べろ。」

「うぅーーんッ(それだけ? お腹空いてるのにっ…)」

僅かな量の食事に、女刑事は嫌々と首を振って呻き、お腹が空いてもっとまともな物を食べたい事を知らせるが、ダクトテープで塞がれて声が出せない。
だが、それほど彼女の身体は一連の辱めと甚振りで疲弊し切り、空腹状態だったのだ。

「なんだ、まだそんな態度ができるのか。」

だが武藤は、女刑事の痛切な腹ペコの訴えを掻き消すよう、彼女の顎を掴んでクイっとあげさせた。

「ムぐッ…!」

力づくで顎クイをされた女刑事は、詰まったような声も止まり、驚きに見開く。

「俺はお前をいつでも殺すことができるんだぞ、逆らうんだったらどうなるかは聡明な刑事さんならわかるよな? 大人しとけ。」

ジッと身動きを抑えた女刑事に対し、武藤は脅すように奈美に諭した。

(悔しいけど、こいつの言う通りだわ…!)

強気な女刑事は今のボロボロな状態で逆らって、拷問でも食らったら本当に死んでしまうかもしれない。
奈美は大人しく従わざるを得ないのが、情けなかった。

「ゼリーを押し出してあげるから、吸い上げろ。」

武藤がゼリーを押し出すようで、その前に奈美のダクトテープを半分ほど剥がす。
いつでも口を塞げるようにするためだ。
これで、奈美は食事と言葉を発することができるようになった。

「んぅう、、ぷはあっ、、はあっ、、」

思いの外乱暴に外された猿轡に女刑事は顔を揺らされた分も含め、苦しそうに吐息を吐いた。

「飲め。」
呼吸が落ち着いてきた頃を見計らって、武藤がゼリーの口を女刑事の唇に押し付けた。

「ん…っ…!」

奈美は反射的に思わず嫌そうに美顔を逸らした。
それに女刑事には、自分で食べられずに誘拐犯に食べさせられるのが、何とも屈辱で不快だ。

「お、お願い、縄を解いて自分で食べるから。」
そう懇願したが武藤によってあっさり拒否されてた。

「お前はさっき逃げようとしただろ。このままの状態で飲まないと、飯はなしだ。」

(そ、そんな・・・)
(けど、後ろ手に縛られてちゃ、どうする事も出来ないわ…。)

武藤は後ろ手に固縛した縄を解いてくれることはない。何れにしろ自力ではゼリーを食べられない。

(仕方ない…わね。今はとにかく、生き延びなきゃ…っ。)

だから現状の緊縛では、空腹を満たすためにも、女刑事は生きるべく屈辱の食事を冷静に選ぶ。

「ほら、早く飲め。」
武藤の手で、ゼリー口を女刑事の唇を突っつくと、

「ん…っ…」

不快そうに美顔を歪める女刑事は、逆海老反り縛りの姿でようやく口を開けてゼリーの口を含み、中身のゼリーを吸った。

「チュゥー、、チュゥー、、」
「チュゥーー、、フゥ。」

思いのほかお腹が満たされた女刑事は、ここで便意を催した。
(そう言えば、あいつらに捕まってから、トイレに行ってない…。)

グイッ、、ビィィ!
そう考えていると、奈美の顔に張り付いていたダクトテープを武藤の手で奈美の口に、、元通り塞ぐ気だ。

「んむッ? ま、ふぁっふぇ! グォイフェに…」

ダクトテープを貼り付けれたかけた口で奈美が慌てて言うと、武藤は察したようにピタリと止め、ダクトテープを外された。

「何だ?」

少しホッとした奈美恥ずかしそうにいった。

「っ…ト、トイレに行きたいの。」

「じゃじゃ馬娘め。わかった。」
そういって、武藤は奈美の手首と足首を繋ぐ縄を解いて、柱に括りつけていた縄尻を外して、自分の手に巻きつけた。

「これで立てるだろ、早くしないと漏れるぞ。」
そういって、縄尻を引っ張って無理やり奈美を立たせる。

「痛い!! 乱暴しないで!」
奈美はそういってフラフラな体に鞭を打ってしっかり歩行できるように準備をする。

彼女の顔には、まだダクトテープがくっついており、武藤はいつでも塞ぐことができると脅しているいるかのようで奈美は屈辱的だった。

「さっさと歩け。」
かったるそうに武藤は奈美に命じると、背中の縄尻をクイクイ引いて、女刑事を無理やり歩かせる。

「くぅ…っ…」

奈美は恥ずかしそうに、膝から下を震わせながらも大人しく歩いた。

ズルズル、、
「うぐ…っ、くぅ!」
武藤に縄尻を引っ張られて連行された奈美は、ほとんど引き摺られるに近い連行だったが、、
ようやく洋式トイレに着いた。

「さぁ、入れ。」

殺風景なトイレの扉を小さく開けられると、武藤はそう命じては促すべく、女刑事の背中を押した。

「っ……」

上半身を固縛された女刑事の身では、背中を押す手でもバランスを崩しそうになる。
それでもふら付きながらもトイレに入った。

ゴソゴソ、、

「え…?」

だがここで奈美は振り返った、、何と男である武藤までもトイレに入ってきたのだ。

「ちょっ、、ちょっと!後ろ手の縄をほどいてよっ。一人でするわ。」

奈美は戸惑いながら武藤に向いては、後ろ手の縄をギシギシ鳴らして、縄をほどくようアピールした。

「ダメだ。俺が補助してやる。」

なんと武藤は、トイレ補助という、とんでもない事を言いだした。
しかも武藤は男で、女である奈美のトイレを監視するという暴挙に出た。

「なっ!?」

21歳の女性には嫌で堪らない宣告に、思わず目を剥いて動惑した。
まさかトイレの補助をさせられるなんて、奈美の羞恥心が一気に粟立つほどは嫌悪以外の何物でもない。

「い、、嫌よそんなの!! 絶対にいや!!」

紅潮させた奈美は吠えた。

「お願いっ、縄をほどいて!! 一人でさせて!! きゃっ」

バシィッ!!!

激しく、奈美は顔真っ赤になって喚くと、武藤に頬をビンタされた。

「甘ったれた事を言うんじゃなねぇ!」

そして武藤は、素早く陽菜の顎を摘み上げると、凶暴性を剥き出し、もの凄い剣幕で吠えた。

「立場がわかっていないようだな。 お前は捕虜なんだよ! 捕虜なんかに人権なんかねえんだよ!!!!!」

人権蹂躙を示す残酷な言葉に、顎を摘み上げられた奈美は動惑するも、悔しげに唸る。

武藤の手は、あっさりと女刑事のパンツのホックを外した。

(こいつ本気で、、)

トイレの補助を本気でする気だと、ホックからスカートを撫で下ろすその手で分かり、奈美は震え上がった。

「いっ、いや! やめて! きゃあ!!」

バシィッ!!

奈美は瞳に涙を浮かべて嫌悪にもがくが、再びすぐに武藤にビンタされた。

「あっ、、や!」

そして女刑事は平手打ちでふら付いた身を、武藤の手でクルリと翻させられ、洋式便器に座らされた。

「静かにしろ。」

武藤は慣れたような動きで、便座に座らせた女刑事の両肩を圧して立ち上がれないようにすると、今度こそスカートの裾を掴んだ。

「やだっ、何するの! ちょっと…っ、やめてよ!」

必死に嫌々するが、縄で厳重縛られて捕縛された身ではとても抵抗のしようがない。

グイグイィッ、、

蛇のようにか細い速女の手が、女刑事のパンツを掴み、強引に脱がしに掛かった。

「お願い、パンツを脱がさないで!」

奈美は懇願したが、既に身動きを縄で封じられた陽菜は、あっさりとその恥ずかしい下半身を、ショーツだけにされてしまった。

さらに武藤はショーツを脱がし、下半身を丸出しにした。

「いやぁ~~!!! あっ…!!」

バシィッ!!

波はあまりの生理的嫌悪と羞恥心に、悲鳴を上げて暴れ出す。
だが武藤はビンタという暴力を繰り出し、強制的に黙らせる。

「早く済ませろ。私の目の前でな、ククク。」

武藤は早く済ませるように催促したが、、、、

「やッ、見ないで…!! きゃっ…!!」

バシイッ!!!

奈美は顔真っ赤になって、隠そうとするが、武藤にビンタされて、すかさず顎を摘み上げられた。

「あっ…!?」

叩かれて乱れた陽菜の唇に、ダクトテープの感触がかかった。

「騒ぎ過ぎると、ダクトテープで話せなくするぞ?」

武藤ドスのある声と表情で陽菜を睨み下ろし、そう脅迫する。

「っ……」

もはや何の抵抗も出来なくなった陽菜は、すっかり押し黙ってしまい、従順に排泄を済ませる。

なるべく音を出さない様に慎重に済ませたが…。

「ククク、長い排泄だったな。」

「っ…いや、、見ないで…!!」
異性に排泄を他人に見られるなど、死ぬほど恥ずかしい事だ。
奈美は刑事であるのが嘘のように、恥じらいに耳まで真っ赤になり震えながら排泄を続けていく。

「終わったか?」
「…っ…」

あまりにみっともない追及に、羞恥で押し黙ってしまった奈美は、何も言う気力も無く、ただコクリと頷く。

すると武藤は満足げにニヤ付いては、トイレットペーパーを取り出した。

「よっと。」
「…えっ?」

そして武藤が、奈美の腰を持つと、そこで陽菜はハッと気を取り戻した。

(なっ、、こいつ!)

想像したくもない事態だが、武藤の手の構えからも、嫌でも想像できてしまう。
そう、、排泄したばかり尻を、トイレットペーパーで拭かれるのだ。

そのために武藤は、奈美の腰元を掴んで、トイレットペーパーを折り畳んでお尻に構えた。

「いやぁーー!! あっ…!!」

バシイッ!!

羞恥心に真っ赤になった奈美は、涙して悲鳴を上げたが、武藤のビンタが。
すかさず武藤は、奈美の顎を摘み上げては、半開きになっているダクトテープを手に取って奈美の口に再度貼り付けようとした

「また、口を塞がれたいか?」

冷酷な武藤の脅迫が、唇で感じる粘着力の二重の威圧感として伝わる。

「っ……」

さすがに猿轡と同時にそう脅されると、彼女は首をか弱く横に振る。

「早くしろ、それともお尻に排泄物が付いたまま監禁部屋に戻るか?」

武藤は、女刑事のプライドを詰るように、最悪の状況を突き付けてる。

「っ…くぅウッ!」

そう脅された時には、奈美は俯き、男の脅迫に屈するしかないのだった。
排泄物処理もそうだが、奈美が嫌で仕方ないダクトテープは、今や彼女を脅す道具になってしまったのだ。

奈美は武藤に処刑宣告を突き付けられたように、顔を真っ赤に震えながらお尻を突き出した。

「ククク、、よく出来ましたー。」

「嫌っ、、あぅ!」

必死に嫌がるが、自ら尻を突き出したその姿勢で、既に武藤の腕にガッチリつかまれてしまって動けない。

「キレイなケツだな。」

「いっ、、いやだ…! 早く…拭いて…っ!」

自分で突き出したお尻を拭かれるという行為に奈美はそのおぞましい感触に身震いしながら懇願する。

奈美の排泄した部分を、やっと拭き始めた。

「ホッ、、う!」

ようやくおぞましい責めから解放され、ちゃんとお尻を拭いてくれると、陽菜は一安心した。

「ハハッ、お前のお尻がすっかりキレイになった。気分はどうだ?」

武藤はこれで終わりだと言いたげに、女刑事の尻穴を充分拭いたトイレットペーパーを、便座の中に放り込んだ。

「うぅ、、ぐッ…!!(終わり…!?)」

「ククク、、」
「さぁ、これで用は済んだな。元の場所に戻るぞ。 ほら歩け。」

武藤はしっかりパンツのホックを閉めると、奈美の背中の縄尻を引き上げた。

「うくッ…!」

男に見られたくないものを見られただけでなく、老人の介護のように排泄物を処理してもらったという事実にすっかり意気消沈して俯いていた女刑事は、いきなりの縄尻の引き上げに苦しみ、引っ張られるまま立ち上がった。
今度は猿回しのように縄尻に繋がれて、再び男のなすがままに女刑事は涙しながら立ち上がり、大人しく歩みを進めた。

しかし、奈美はあまりの悔しさに涙が止まらない。

「ククク。相当堪えているようだな。 いいか、お前は囚われの身であることを忘れるな、無駄な抵抗をするからこのような状況になったのだ。」

武藤は奈美にそう囁き、悠々と奈美を連行する。

(屈辱すぎるわ・・・ もうこの男には、もう勝てないわ。 捜査班のみんなに申し訳ないわ。)

奈美の心は完全に武藤率いる組織の連中に折られてしまった。
連行も男の縄尻の操作になすがままに歩き、気づくと監禁部屋に戻っていた。

「座れ。」
奈美は武藤の言葉に力無く従い、正座した。
そして武藤はうつ伏せに奈美を倒すと・・

「足を折曲げろ。」
といって奈美を再びホッグタイに処すつもりだった。

(もう抵抗してもダメ…大人しくした方がいいわ)

もはや抵抗心も削がれた奈美は自ら足首を折り曲げ、再度足首と膝下を留縄付きで縛り上げられ、余った縄尻で手首と足首をしっかりと繋ぎ止めた。

そして、残った縄尻で柱に繋ぎ止めて、頬に張り付いていたダクトテープを再び口に貼り付けた。

「んんぅぅ… (もうダメ・・・)」

先ほど同じ状態になった奈美は力無く、俯いた。

「これからお前を人質に警察に連絡する。このまま大人しく聞いているんだな。」
武藤はそういって、スマホを取り出して奈美が所属する捜査班に人質の交換の交渉を行うようだ。

(みんなごめんなさい。私の勝手な行動で…)

奈美は大人しく、武藤の電話の内容に耳を傾けて聞くしか無かった。

警視庁・・・
「中松くんの状況は?」

「何も反応がありません。 状況がわかない状態では捜査もすすみません。」

本部は奈美の突然の失踪で行方を追っているが、目立った痕跡もなく誘拐されたため難航していた。

「クソっ、このままじゃ中松さんがっ!!」
武田は奈美を守れなかった、自身を悔しがった。

すると…
プルルルル、、プルルルル、、プルルルル、、
「「「!!?」」」

突然非通知の電話が掛かってきて、皆の間に緊張が走った。

上司刑事が、電話を取る。
「…は、はい。上司だが。」
上司刑事は、緊張の面持ちで、電話に出る。

『ククク、、女刑事を誘拐した。警視庁麻薬取締役捜査班の中松奈美を預かってますよ。』

変声機を使った武藤の声が、捜査室に響く。

「「「っ……」」」

仲間である所轄刑事は女性警察官を拉致された事に、捜査官達は悔しがる。

「くっ…! それで、二人は無事なんだろうな?」

上司は歯軋りしながらも、冷静に対応する。

「さあね、それは自分たちで確認した方がいいのではないか?」

すると、奈美のスマホから送られた一通のメッセージ送られた内容を見て一同は驚愕した…

「最後に奈美ちゃんが連絡した、『武田くん』に奈美ちゃんの写真を送っているよ。ククク」

武田は急いで、スマホを見ると、変わり果てた奈美の姿に驚愕した。
奈美は逆海老反り縛りに処されている奈美の画像が送られていた。

「「……!!!!」」

捜査班全員が驚愕した。

「状況が理解できたようだね。」

『目的は何だ? 金か?』

「フフフ、、分かっているじゃないか。3億円と逃走者、国外航空券を用意して、指定場所まで運ぶんだ。」

なんて大男は、無茶な事を言い出す。

『なッ…!? なんだと!?』
無茶な要求に驚いていたが、

「フフフ、、迷っている暇はありませんよ。何しろこっちには人質がいるんだからな。いつでも撃ち殺してもいいんだ。」

『ぐッ…!』

「さあ、今日中に用意できないと奈美ちゃんの命はないですからね。」

戸惑った上司に脅しを掛けるように、武藤は淡々と脅迫した

『…っ…』
しばらく電話の外で、沈黙が続く。
きっと、刑事みんなで話し合っているのだろう。

『っ…む、無理だ。今日中に3億など、無茶が過ぎる。しかも重要手配者が国外逃亡なんて。』

あまりの無茶な要求に上司は飲むことができなかった。

「ああ、そうか。なら、奈美ちゃんを撃ち殺して息をしていない姿をあなたたちに送りましょうか?」

カチャリ…
武藤は拳銃を取り出すと、奈美に銃口を突き付ける。

『ま、待て! 分かった! 何とか、今日中に掻き集めるから…っ』
上司は、やはり要求を呑むしかなかった。

「話は決まった。今から武田くんにメールで送る指定時間と場所に、3億を現金、航空券と逃亡者を用意しておけ。1秒でも遅れたら、奈美ちゃんの変わり果てた姿を想像しておいてくださいね…」

ガチャッ

そう脅して武藤は、電話を切った。

「んんっ、、んーんー!!(みんなごめんなさい…!」

電話の内容を全て聞いた奈美は、悔しさと申し訳なさに苛まれ、悔し涙を流した。

これでは、振り回される警察も、人質になった自分も、あまりに不憫で無念だ。

一方、警視庁。

電話を切った上司は、
「武田くん、恐らく今後は犯人とのやり取りはきみにくるはずだ。 きみに陣頭指揮を任せる。我々が判断する時間がないからな。」

「な、何故?」

新人の捜査官になにができるという顔をする警官達だが、
「わかりました!今犯人からメールが届きまして、『場所は明治神宮。15時までに全てを用意して来るように。もちろん、武田くん一人で来るように。下手な行動をしたら奈美ちゃんの命はない。』とのことでした。私が現場に向かいます。みなさんはゲリラに備えてカモフラージュして姿をくらましてください。ただ、相手は元自衛官ですので決して油断しないようにお願いします!あとは、現場近くで不穏な動きがありましたら適宜報告をお願いします!」

武田は新人には見えない冷静沈着な指示で、捜査班を動かした。

「よしっ、所轄は付近の聞き込みと捜索だ! では、捜査に掛かれ!」
「「「はっ!」」」
上司刑事の合図をきっかけに、捜査官達は捜査を開始していく。

(中松さん、、待ってろ! 絶対に助けるからな!)

龍馬は、それぞれ人質になった奈美を助けるために闘志を燃やした。


監禁部屋…
奈美はホッグタイのまま、監禁されたままだだった。
今までの、勝ち気な性格からは想像できない、弱った目をしていた。

それもそうだ。
武藤に完全な敗北を喫しただけでなく、女性として見られたくないものも見られたたりと、女性の尊厳を完全に叩きのめされたのだ。

一方の武藤は、スマホでメールを送信すると動き出した。

「さて、これから取引先にいく。 少々お散歩でもしようか。」
武藤はそういって、奈美をペットのように扱い、繋がっていた柱から解放された。

そして、ようやく逆海老反り縛りからも解放されたが、休む暇もなく手首の縄尻を持たれて立たされる。

「うぐぅ…(乱暴しないで、大人しく立つから…)」
奈美は大人しく立ち上がると、縄尻の振動が伝わり、それが歩く合図であると察知した奈美は大人しく歩行を進めた。

「お、よくわかっているじゃないか。さすが、従順な刑事さんだ。」
武藤の挑発にも、奈美は抵抗することもない。
もうこれ以上、痛い目に遭いたくないのだ。

(もう、武藤には敵わない。大人しく連行されるだけだわ。)
奈美は心ここにあらずのような状況になっている。

部下の一人により、ドアが開き、緊縛された奈美はようやく外に出れた。

大人しく車に乗せられて、誘拐された廃墟についた。

「さてここから少々お散歩だ。さて歩こうか」
武藤は奈美に歩行を促し、連行が再開する。

廃墟の周辺は人の気配はなかった。

少し歩くと森を抜け、街が見えた。

「んんぅ!!(え? ち、ちょっと…)」

さすがに街には近付かないだろうと思っていた奈美だったが、悠々と街に向かい連行する武藤に、困惑する。

「んぅーーー!(ね、ねえっ、、街に行かないでよっ、 一般人がいるのよ!どうするつもり??)」

困惑する奈美に武藤は一言。
「黙って歩け。」
「んう!(あっ!!)」

困惑する奈美は街に入ると、通行人に見つかってしまった。
通行人は非常に驚いた顔を向ける。

「うぅ…(やだ…っ)」

今の自分の情けない姿を曝け出し、顔を俯かせる奈美だったが、その時武藤がサイレンサーを取り出す。

「う…っ」
するとサイレンサーで奈美の顎に当てて顔を上げる。

「顔を上げながら歩け。」
「く…っ」

「今度抵抗したら、これを民衆に撃ち抜くからな。」

武藤は奈美でなく街の民衆を人質に脅迫され、言う事を聞くしかなかった。

(そ、そんな・・・)

「ほら、行くぞ。歩け」
縄尻を引き、奈美を無理やり歩かせた。

すぐに細い道から、大通りに出た。
そこには人がたくさん歩いていた。

それはそうだ。ここは、原宿なのだ。多くの人で賑わっている。
たくさんの通行人が奈美達の異様な連行に気付き、ざわつく。

「な、、何だあれ?」
「おいあれ、刑事さんじゃないか?」
「マジかよ、捕まってるじゃん…」
「な、なんでこんなところで連行してるんだよ。」


多くの言葉が行き交い奈美の耳に届き、次第に彼女は顔を真っ赤にして震える。
緊縛姿を大勢に晒され、市中引き回しの連行をされているようで、恥辱が爆発的に上がる。

しかも、奈美はこの地域では表彰されたり、テレビにも出演しており「美人刑事」という特集も組まれるくらい有名人になっているのだ。
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「っ……」
思わず顔を伏せようとした奈美だったが。
「ひ…!」
すぐさまサイレンサーを顎に当てられ顔を上げさせられた。

「下ろすな。顔を上げながら歩け。」

武藤は変わらぬペースで淡々と連行する。
しかし、状況は悪化する一方だ。

(みんな、、お願い助けて!!)
奈美は心の中で、頼りの仲間に助けを求めるが、そんな声など届こう筈もない。

「フッフッフ。」

衆人環視の中、武藤ら組織の連中によってゆっくりと引き回しの刑に遭い続けるのだ。

しかし、一部の捜査班が奈美の連行を見つけると

「何をやっている!貴様らぁ! その女性を離せ!!」
警察官数人が駆け付けて来てくれたが、

「んぅーっ、、んむぅーーっ!!(ダメぇ! 逃げてえ!!)」
奈美は必死に逃げるよう伝えようとしたが、言葉を発する事をダクトテープによって封じられて、それもできない。

「おい、やれ。」
武藤が命じると、部下たちがサイレンサー銃を取り出し、その数名の警察官を奈美の前で発砲した。

「んーーっ、んーー!」

犯人たちの犯行を、雁字搦めに縛り上げられ身体の自由を奪われた奈美は、止めようがなかった。

ギチギチと縄鳴りを発しながら暴れるが、奈美は武藤の縄尻に繋がれたまま、警官が殺されるのを黙って眺めているしかなかった。

(ああ、、なんてことに!)
自分の目の前で、、自分のせいで、、
奈美の心に、負の連鎖が生まれ始めてきた。

(私のせいで…こんなことに!)
もはや抵抗することすらしなくなった奈美は処刑される女囚のように大人しく集団監視の連行を受け入れた。

…そんな引き回しが何時間続いただろうか。
奈美は相変わらず、衆人環視の中連行されていた。

(わざわざ、、人気の多い市街地ばかり歩いてどうするつもりなんだよう…っ!)

反抗する元気をすっかり消耗させていた奈美は、力無く目的地に足を踏む。

連中に連れてこられたのは、明治神宮だった。

中央に大きな鳥居があり、木々に囲まれている。
その中央に彼女は連れてこられた。

「止まれ。」
そういって奈美の手首の縄尻を引っ張り、歩行を止める。

すでに神宮には彼女達を中心に連中4人が半径20m以内に囲いをして、誰も入ってこないようにしていた。

囲いの外は、見物の野次馬が大挙していた。

(何なんだろう…)

異様な光景にショックから回復しつつある奈美は、困惑するようにあたりを見渡す。
だが、中央の鳥居以外何も無いこの空間は、彼女に何も読み取る事ができないようにさせた。

呆然と辺りを見渡していると、足首に何かが巻き付いている感触がした。

すぐに視線を落とすと、奈美を取り囲んでいた部下の一人が、彼女の足首にロープを掛けていた。

「!? んむうっ!(いやっ! 何すんの!)」

慌てて足を動かそうとするが、その瞬間頬にサイレンサーが突き付けられた。

「下手な抵抗すると、、どうなるんだったっけ?」
「っ!!」

すぐさま抵抗を押さえられた。

武藤は奈美の頬をサイレンサーを押さえつけながら囁く。

「足を閉じろ。ピッタリな。」

「っ……」

逆らうことができない奈美は、言われる通りピッタリと足を閉じた。
すると部下が太ももの縄を操作し、太もも同士をギッチリと留縄付きで緊縛した。

「むう…っ」

絶望に呻く奈美だったが、部下はすぐに奈美の足首に縄を掛けていく。

力強くグルグルと何重も縄を巻き、足の間を通して補強し、最後にギュウッと結んだ。

「っ…ぐぅぅぅ!」

足を完全に閉じ合わせた窮屈な状態を強いる緊縛を施され、奈美は踏ん張る事も出来ず、その場で立ち尽くすしかなかった。

だがその瞬間、武藤が奈美の背を乱暴に押した。

ドサッ!!

「んぐ…っ」

力無く倒れる女刑事は、まるでイモムシだ。
首元から足首まで全身を窮屈に縛り上げられ、一本の棒の様にされたまま倒された。


そして背中にさらに縄を這わせた。
しかもロープはかなり余っていて、30m弱あった。
部下はそのロープの縄尻にコンクリートを括り付けると、鳥居に向かって高い枝に放り投げた。

それが、鳥居の間と通過して、鳥居にぶら下がったコンクリート付きの縄尻を掴み、そのまま下に思い切り引っ張った。

グンッ!!!
「んんぅ!?(きゃっ、何っ!?)」

すると滑車の原理で、部下より体重の軽い奈美は倒れた体勢から一気に体を振り起こされ、宙に浮かんだ。

部下はさらに縄尻を下に引っ張り、奈美の体をさらに高く上げた。
見物人もどよめく。

そしてしっかり縄尻を引っ張ると、傍の木の幹に括り付けた。

(ああ……)

彼女は鳥居に高く、宙吊りにされてしまった。
遠くで囲む様に見物する民衆や、敵が高く見える。

しかもこの日に限って風が強く、吊るされた奈美の体は無慈悲に揺れる。
何とも惨めな拘束を公衆で受けて晒されてしまい、ひどい屈辱だった。

「むぐ…っ(こんなのって、、無いわよ…!)」

5mくらいの高さで宙吊りにされた奈美はもはや自分で縄を切ったりすることができなくなり、無抵抗の人質となった。
[pixivimage:99422229-5]

(何を、、するつもりなの…?)

何をされても抵抗できない状態に拘束されてしまった奈美は、迫る武藤に怯む。

かなり高く吊るされた事を実感する。

「ククク、いい姿だよ、奈美ちゃん。」

ビョオーーッ、、
「ん…っ…んんッ」
今日は風の強い日で、こんな上空ではさらに強い。
奈美の身体はユラユラと揺れ、吊り下げる縄もギイギイと嫌な音を立てる。

「どうだ、縛られたまま吊り下げられた気分は?」
「!?」

「ここにお前の同僚刑事の武田くんが俺たちが要求したものを持ってくる。それまではここで大人しく吊り下げられて待ってるんだな。」

(待ってろも何も…)
吊るされた奈美そのように毒づいた。

(武田くん、どうか無事でいて)

「さて俺は、武田くんのところに行ってくる。見張りよろしくな。」
「了解しました!」

武藤はそういって、部下に見張りを任せて取引先へと赴いた。

一方龍馬は、言われた通りに神宮に着いた。
「……」
誰も来ていないと思ったら、、

「よく来たな。」
すると、建物の向こう側から、銃を持った武藤が姿を現した。
「っ…彼女は、無事か?」
龍馬は心配のあまり、問う。

「安心しろ。向こうで、俺の仲間と一緒にいるさ。取引さえ成功すれば、女どもは解放してやる。」
「っ…本当だろうな?」

武藤の余裕な言い回しに、龍馬は不安げに問い返す。
そう、、龍馬は既に、男達の目的は金だけでなく、彼女自身でもある事に、気付いていたからだ。

ただ、龍馬から奈美が吊るされていることは死角になっており見ることができない。

「くどいぞ。あんまり駄々捏ねるようなら、無線でを殺すよう言うぞ。」

そう言って武藤は、無線をちらつかせる。

「わ、分かったから…っ」
そう言われると、人質に取られた龍馬は、頷くしかなかった。

「よし、まずはお前が持っている武器を全てこっちに投げろ。」
「っ……」

そう、、龍馬の衣服にはいくつかの武器を携帯していた。

龍馬は仕方なく、腰の拳銃と警棒を、武藤に投げ付けた。

「よし。これだけか?」
「あ、ああ。」

嘘である、、本当はもう一つ、スタンガンを保持している。
奈美救出の切り札だ。

しかし、無線で連絡をしてた武藤は、

「嘘だろ? 後ろのポケットにスタンガンがあるな。」
「なッ…!?」
「出せ!」

指摘された龍馬は慄きながらも、放り投げるしかなかった。

「これでいいよな?」
武藤は確認するように、無線の向こうに話しかけた。

「次は、3億円を出せ。」
「……」

脅された龍馬は仕方なく、3億円が入ったバッグ3個を、車のトランクから取り出した。

「そこに全部並べろ。」

武藤に命じられるまま、龍馬は重いバッグ3個を、その場に並べた。

「今から確認するから、1つずつ開けろ。」

武藤の命令に隙はなく、龍馬は命じられるまま、バッグ3個を開けた。
中には大量の札束がギッシリ詰め込まれており、1個に付き1億円入っていた。

残り一個には国外逃亡用の航空券と車のカギも入っていた

「ヘヘヘ、、確認してやるぜ。お前は一歩下がって、その場にいるんだ。」

そう言って武藤は、カバンを一つ一つ確認していく。
ガタイ男は確認しながら、時折龍馬にサイレンサーを向けてくるので、

「く…!」

間合いの外にいる龍馬は、とても武藤に太刀打ちできない。

「ヘヘ、、本当に全部本物だ。マジで用意できたのか。さすがは政府の犬ども!」

等と武藤が、札束に注目するがあまり、龍馬から注意を逸らした。

(今だ!)

龍馬は素早く武藤に襲い掛かり、

「はあっ!!」

飛び蹴りを、武藤に浴びせた。

「ハッ、ぐああっ…!!」

武藤はまともに食らい、その場に倒れた。

「よくも!」

龍馬は勢いのまま迫るが、
ガチャッ、、

「う…!」
サイレンサーを向けられ、その場に静止してしまった。

「はあ、、はあ、、動くんじゃねえぞ。」

武藤はよろけながらも起き上がり、素早くサイレンサーを龍馬に向けたのだ。

「く…!(隙をついたはずなのに、相当格闘に手慣れている!)」

なるほど相当の格闘術の使い手であり、さすがは元自衛官。こんな男に襲われたら、奈美も捻じ伏せられてしまうだろうと、納得できる。

「「……!」」
龍馬と武藤は、睨み合ったまま牽制していたが、、

「んんんぅぅぅう!!! (武田くん!!!)」
その緊張を解いたのは、意外な人物だった。

「な、中松さん!?」
「……っ」

そう、、死角から姿を現したのが人質の奈美だった。

なんと後ろ手にグルグル巻きのギッチギチに縛り上げられており、口もダクトテープで塞がれており、有名な原軸神宮の鳥居に高く吊り下げられていた

「ん、、んぅぅ…っ!」
「中松さん!!…!?」

奈美は悔しげに唸りながら、捕まってしまったことに対しする申し訳なさを表現する。

「ククク、、これでお前は動けまい? お前の上司なんだろ? この綺麗な女刑事さんは。」

「ん~ぅ、、ん~…!(武田くん、、ゴメンなさい…。)」
奈美は申し訳なさそうに、塞がれた口からくぐもった呻き声を上げる。

そして武藤は、彼女の吊るす方向へ銃口を突き付けて、

「おい、女の命が惜しくば、早く金をあの車のトランクに詰めろ!」
「くっ…!」

しかし逆らえない、、奈美の命が懸っているのだから、、

ギシ、、ギシィ、、
「ぐッ…!」
奈美は大鳥居の部分に吊り下げられ、風に揺られて緊縛の食い込みに苦しむ。

(武田くん、私のことはいいからどうか無事でいて、、、)

そう切実な事を思う、奈美だった。

ギシィ、、ギシギシ、、
「んぐ…っ」
相変わらず風は強く、奈美の身を揺らせ、苦しませる。
奈美は、この取引き終わるのをただ吊るられて待っているいかないのだ。

「さあ、現金バッグをトランクに詰めろ。」
3億と逃亡用の航空券を確認したタイミングで、武藤なが再度命じる。
部下のひとりが彼女を吊るす鳥居に銃口を向けている。。

「っ……」

奈美は、サイレンサーをむけられていた恐怖から、悔しげに表情を歪ませ、自由な鼻から震える吐息を吐く。

「……」

龍馬は重いバッグを一つずつ持ち、誘拐犯の車のトランクに詰め込んでいった。

相変わらず部下は奈美に銃を突き付けて脅す。
本当に、油断も隙もない誘拐犯達だ。

「く…っ」
龍馬は悔しさを滲ませながら、バッグを全て詰め込んだ。
トランクを閉めて、取引を終えた。

「ご苦労さん。では俺らが安全地帯に逃げたら、奈美ちゃんを解放してやるよ。行くぞお前ら」

武藤会は、手に入れるべきものを全て手中に収めて鳥居に吊るす奈美を放置して逃走車に乗ろうとした。

その時、、、!

ガチャ、ガチャリ…

「「!!!!!!!」」

男たちは、完全に油断しており突然大勢に銃口を向けられたことに気づかなかった。

そう、ここにいた全ての野次馬は奈美が所属していた捜査班の面々だったのだ。

「んんぅぅーー!!!(み、みんな!!!)」

吊るされて、俯いていた奈美の表情が一気に晴れた。

「なっ、、何ぃ!?」
予想外の出来事に、武藤は驚愕して見上げていた。

「ば、、馬鹿な!?」「何で、あんなのが、ここに?」
それは4人の部下も同じ反応だった。

プシュゥウ~~ッ
同時に外から煙幕が投げ込まれ、大量の煙から視界が遮られた。

「うぉおっ…!?」

煙幕をまともに浴びた武藤会は、何をする事も出来ずにその場でのたうち回るしかなかった。
それによって組織の戦闘力は、奪われてしまった。

「確保ぉお!!」

大きな掛け声とともに、カモフラージュしていた機動隊員がなだれ込んできた。

「ぐっはぁぁッ! はっ、離せぇ…! 離しやがれぇぇ!」

卓越した機動力と戦闘力で、屈強な武藤会の組織を制圧してしまったのだ。

そう、、奈美が失踪した事で、警視庁は龍馬を中心に本格的な捜査に踏み切ったのだ。

龍馬が調べてた事件を徹底的に洗い出し、彼らの取引のやり方と戦闘方法を徹底的にリサーチしたのだ。

さらに、ことの重大性を感じた警視庁は特別緊急救出作戦を練り上げ、機動隊も派遣した。

そして隙を見て突入し、先手をとって武藤会を制圧した。

(み、みんなすごい、、、!)

奈美は同僚の戦闘の手法に感心しながら、吊るされた状態で戦況を見つめていた。

あとは一人、武藤のみ…。
だが、修羅場をくぐり抜けている武藤にとっては突然の奇襲にも慌てる様子もなかった。

「んぐぅうッ!」

武藤は縛り上げて宙吊りにしている女囚に目掛けて、サイレンサーを発砲した。

だが、奈美に当たるスレスレのところでわざと外した。

(なんてやつだ!)
警視庁の全ての人間が戦慄していると、武藤は叫びながら

「貴様らっ、これ以上動くな! この女をぶっ殺すぞ!」

武藤はよく通る大きな怒号で、迫ろうとする機動隊員を脅し付ける。

「んむぅ…っ」

吊るされている奈美は、サイレンサーを突き付けて、次こそは殺すという動作をしていてる。

さすがの機動隊員も、スムーズな進行を止められてしまい、

「動くなよ! お前らの仲間なんだろ? この女刑事はよぉ。」

「「「ぐッ…!」」」
その強烈な脅しに、機敏な機動隊員であってもこれ以上どうする事も出来なかった。

「全員、武器を置け。この女をぶち殺されてえか!?」

武藤の脅しはエスカレートし、吊るされている奈美を人質に、強気に吼える。

「んぐぅうッ…!」

銃口を向けられて、抵抗ができない奈美は、恐怖に脂汗を流し震える。

「「「く…っ!」」」

完璧に人質を盾に取られて隙が無いと判断せざるを得ず、機動隊員は言う事に従った。

強力な銃を次々に床に置く。
これで機動隊員の戦闘力も半減だ。

あとは巧く奈美を人質にここから脱出し、所々で盾にしながら逃走車にのることができたら、逃げ切る事ができるかもしれない。

奈美は大事な人質なのだ。

しかし武藤は、一人の存在怠ってしまった。

恐らくこの中で誰よりも奈美を助けようとしていたのは、他ならぬ武田龍馬であった。

ただひたすらに、奈美の無事を願い続けた龍馬は、神経も思考も研ぎ澄ませていた。

「…うぉおおおおっ!」
間合いまで忍び寄ると同時に、一気に跳び上がった。

「なっ、、しまった!」

そのままの勢いで、回し蹴りの体勢に入り、

「ぐふううッ…!!」

武藤の腹部に、強烈なキックを見舞った。

(す、すごい、、、武田くん!!)
奈美は吊るされていながらも、龍馬の高い戦闘力を目の当たりにして、その表情は希望に力強く満ちていた。

頼りない新人刑事が、自分を助けてくれた救出劇に素直に感激した。

あの武藤の脅しを前に、機動隊の誰もが諦めていた絶望的状況下で、その注意が逸れた隙に奇襲を仕掛けて、元軍人を倒したのだ。

恐らく戦闘力でも元軍人の方が格上であったろうが、状況を冷静に判断して、先手を取った素晴らしい制圧劇だった。

それは、龍馬の長所である頭脳と戦闘力組み合わせた、状況を冷静に把握して相手の油断を突くという知的戦略が、彼自身の血となり肉となって開花したのだ。

「よしっ。逮捕だ!」

機動隊員はリーダーの掛け声を機に、武藤を取り押さえて遂に武藤会全員を殲滅することに成功したのだ。

ドタドタドタドタッ
「抑えろ!」

その隙に機動隊員は機敏に突入して来て、倒れた武藤を完全に捻じ伏せた。

「ちくしょうぉっ! 離せっ、、離せぇぇえ!!」


そして、捕まって吊るされていま奈美はというと、
「酷いな…! 中松さんっ。すぐに下ろします!」

後輩の龍馬が木に括られた縄尻を手際よく解いて、ゆっくりと奈美吊るす縄を下ろしていく。

そして、ようやく奈美は宙吊りにされた絶望的な状況からついに解放されたのだ。

そして、すぐさま龍馬ナイフで奈美を縛り上げる縄をほどいていく。
ナイフを持ってしても、女肉に食い込むように締め上げられてるので、縄を切るのが大変であった。。

スルスル、、
そして何か所も切れ込みを入れて、ようやく奈美の自由を完全に奪っていた縄をは除去した。

「…っ…ぅ!」

大量の縄の残骸が周囲に山となってばら撒かれ、奈美は緊縛の厳重さを改めて思い知って慄く。

同時に、身体中が痺れている事に屈辱に顔を歪め、すぐに縄の影響を振り落とそうと、痺れた手足を揉んで感触を取り戻そうとする。

「プはあっ、、はあ、、」
そしてようやく口を塞いでいた忌々しいダクトテープも除去できた。

2日ぶりに奈美は完全に自由を手にしたのである。

そして開口一番、
「この度は、私の軽率な行為で皆様を危機に陥入れてしまったことを深くお詫びします。申し訳ございませんでした!!」

と、深く頭を下げた。
(わたしのせいで、何人もの同僚が、、、)

そう思うと涙が止まらなかった。

「大丈夫です。撃たれた方々は、みんな防弾チョッキを装着しているので命に別状はありません。ご安心を。」

龍馬は、奈美の不安を一掃するかのように優しい口調で奈美を包み込むように抱きしめた。

「ううっ、ごめんね、武田くん。ありがとう…」

奈美は感情を抑えることができる、龍馬にギュッと抱きしめた。

ウゥ~~、、ピーポーピーポー、、
やがて、応援の警察と救急車が、到着した。

こうして女刑事誘拐事件と武藤会殲滅というミッションは、無事に解決した。

事件から数年後、、、
奈美は無事に退院して、再び業務に勤しんでいた。

「武田くん、何かあったら指示ちょうだいね。」

あの時の失敗を、教訓に奈美はチームプレーヤーとして更なる成長を遂げた。

「わかりました。」
優しく、ニッコリした表情で返事をする龍馬は、数年後には警視庁で欠かすことができないバディとして更なる飛躍を遂げるのはまだ先の話である。

【完】

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